研究課題/領域番号 |
20K13366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 陽一 京都大学, 法学研究科, 准教授 (10737399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 課徴金 / 金融商品取引法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①金融商品取引法上の課徴金制度の趣旨・性質を明らかにしたうえで、それを前提に、②法人に対する課徴金と役員等の民事責任制度との関係、③課徴金制度における被害者救済の観点の導入のあり方を検討する。 研究の方法としては、(わが国の課徴金制度のモデルにもなった)アメリカの民事制裁金制度に関する議論を分析・検討するという比較法的考察に加え、独占禁止法・景品表示法における課徴金制度との比較、およびその背景にある憲法・行政法・刑事法等における議論の参照・考察を通じて、法領域横断的観点から総合的な研究を行う。
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研究実績の概要 |
研究期間3年目である本年度に行った研究内容は、以下の5点である。 第1に、アメリカ証券取引法(特に民事制裁金制度)について、引き続き、様々な文献を収集し、分析・検討を行った。第2に、金融庁が公表している課徴金事例をさらに収集・分析して、その傾向や問題点を分析・検討した。本年度は、①各種開示書類(発行開示書類・継続開示書類・公開買付届出書等・大量保有報告書等)の虚偽記載または不提出等(金融商品取引法172条~172条の12)、②風説の流布・偽計(金融商品取引法173条)、③相場操縦(金融商品取引法174条~174条の3)、④インサイダー取引規制違反(金融商品取引法175条・175条の2)といった各類型ごとの分析を試みた。第3に、金融商品取引法上の課徴金に関するわが国の裁判例を新しいものを中心に調査した。特に興味深い事例として、世紀東急工業株主代表訴訟事件[東京地判令和4.3.28]およびSHIFT取締役CFOに対する課徴金納付命令取消等請求事件[東京高判令4.10.13]があった。第4に、金融商品取引法上の課徴金に関する論文や判例評釈等を収集し、その内容を検討した。とりわけ、法人に対する課徴金について役員等が損害賠償責任を負うことの当否について考察を行う複数の論稿を読み、考察を深めた。第5に、独占禁止法・景表法など他の法分野における課徴金制度に関する文献や実際の事例を収集・分析した。近時では景表法違反による課徴金事例が多く、注目に値する。その背景にある消費者庁の組織や権限についても調査・分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課徴金制度について、幅広く文献や裁判例等を調査・分析することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまでの研究成果をまとめ、論文を執筆することを予定している。
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