研究課題/領域番号 |
20K13381
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 麻千子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (20734271)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 著作権 / 写真 / 創作性 / アーカイブ / AI / 被写体 |
研究開始時の研究の概要 |
写真は機械(カメラ)を用い、一瞬で撮影が完了するため、著作権法においてその保護の可否がしばしば問題となる。日本でもこれまで裁判や学説において、写真を撮影し仕上げる作業のどの部分に著作物たる性質(特に「創作性」)を看守すべきか検討が重ねられているが、諸外国での議論を参照したり、写真制作がより身近となった現在の環境を踏まえた議論はあまりなされていない。またAI生成物のように機械を用いた創作が登場しており、その保護の可否が注目される。 本研究は、これらの現状を踏まえ、写真の「創作性」判断について蓄積されてきた国内外の議論を網羅的に検討し、機械を用いた創作と著作権との関係について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、著作権法における写真の「創作性」判断について、日本・アメリカ・ドイツを中心に、国内外の裁判例や学説等を網羅的に分析した。写真の「創作性」判断では、どの国も同じような文言で考慮要素を多々挙げているが、要素単体で判断することは少なく、他の考慮要素もあわせて総合的に判断する手法が特に裁判例で採られていることもわかった。 また、カメラという機械に加えられた人間の関与を評価する形で考慮要素が列挙されるが、どのような行為が撮影者の関与として評価され、ひいては創作性が認められるのか、という点を改めて検討することで、AI生成物等の機械を用いた作品制作における創作性判断の方向性を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、機械を用いた創作手段である写真について、著作権法における創作性判断がどのようになされているか、どのような考慮要素が挙げられているかにつき、日本・ドイツ・EU・アメリカを中心に調査し、創作に機械を使うことの評価、さらに写真の保護価値が国により異なり、また時代によっても異なることを確認した。このような比較法的視座を得たことは、生成AIの登場により今後ますます注目される、機械を用いた作品制作の著作権保護の可否を考える上で有益なものと考えられる。
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