研究課題/領域番号 |
20K13423
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 長史 東京大学, 教養学部, 特任講師 (80793710)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 国際政治 / 紛争研究 / 平和構築論 / 軍事介入 / 出口戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
戦争は始めるよりも終わらせる方が難しいと言われるのは、なぜか。例えば、米国は2001年に介入したアフガニスタンにおいて2020年現在も駐留を継続している。この点につき、本研究代表者は「出口戦略のディレンマ」という概念を提起してきた。介入の正当化を容易にする「介入目的の多義性」は、何をもって目的達成といえるかを判断する基準を複数生じさせることから、撤退の正当化を困難にするという論理である。では、介入国は、「出口戦略のディレンマ」を抱えているにもかかわらず、なぜ、そもそも介入を決断するのだろうか。この新たな問いに対し、「二層ゲーム」と呼ばれる議論を発展させることで答えようとするのが、本研究である。
|
研究成果の概要 |
戦争は始めるよりも終わらせる方が難しいと言われるのは、なぜか。この点につき、本研究代表者は「出口戦略のディレンマ」という概念を提起してきた。介入の正当化を容易にする「介入目的の多義性」は、何をもって目的達成といえるかを判断する基準を複数生じさせることから、撤退の正当化を困難にするという論理である。では、介入国は、「出口戦略のディレンマ」を抱えているにもかかわらず、なぜ、そもそも介入を決断するのだろうか。この問いに対し、「介入時には対内正当化がより重要であるが、撤退時には対外正当化がより重要となるため、『出口戦略のディレンマ』を抱えることになる」という仮説を立て、事例分析によって検証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二層ゲームに関する既存の研究は、ゲーム理論による議論の精緻化と事例分析の蓄積による議論の適用範囲の確認を中心に進んできた。一方、本研究では、時期によって対内正当化の重要度と対外正当化の重要度が逆転することを示した。これにより、二層ゲーム論の議論自体を問いなおすという学術的意義を持つこととなった。また、「出口戦略のディレンマ」を不可避的に抱えることを示すことで、介入の是非に際して今後検討をする際には慎重な判断が必要ではないかと政策論的な問題提起をすることとなった。これは、社会的意義だといえるだろう。
|