研究課題/領域番号 |
20K13458
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
横手 康二 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (50802344)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 非分割財市場 / 離散凸解析 / ゲーム理論 / マッチング / マーケット・デザイン / オークション |
研究開始時の研究の概要 |
限られた財を人々に分配する問題は、社会の様々な場面で登場する。近年、ミクロ経済学とゲーム理論に基づき、現実の分配問題に具体的な解決策を提示する研究が進んでいる。この研究の流れは「マーケット・デザイン」と呼ばれる一分野を形成しており、オークションや学校選択制度等の設計に貢献している。 財の分配問題において重要になるのは、「誰が何を受け取るのか」を明確に記述することである。そのためには、財と人との組み合わせ問題を解く離散数学の手法が鍵になる。本研究では、これまでミクロ経済学にあまり取り入れられてこなかった離散数学をマーケット・デザインに応用し、理論の発展と現実問題への接続を促進する。
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研究成果の概要 |
経済学の主な役割の一つは、市場の働きについての理解を深め、様々な財・サービスが適切に取引されるための指針を提供することである。本研究では、「非分割財」と呼ばれる財の市場について理論的に分析をした。ここで「非分割財」とは、0単位か1単位のどちらかだけの量で取引される財のことを指す。例えば、労働市場において労働者は通常一つの企業のみに勤めるため、企業の雇用枠は非分割財の一種である。非分割財は、数学的には離散的に取引される財として記述される。離散数学の手法を非分割財市場の分析に応用することで、均衡(=需給が一致した状態)の構造について新たな定理を証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義として、政府が労働市場に介入する際にどのような方法が望ましいのについての理解を深めた点が挙げられる。例えば、障がいを持つ方が仕事を確保できるように、企業が障がい者の雇用に一定額の補助金を提供する状況を考える。このとき、どの程度の額の補助金が望ましいのか、という疑問が生じる。本研究では、いくつかの仮定を課した市場のモデルにおいて、適切な補助金の額を計算する具体的な方式を提供した。
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