研究課題/領域番号 |
20K13482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村上 善道 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (50709772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 海外直接投資(FDI) / 後方連関 / 現地調達 / グローバル・バリューチェーン(GVC) / 事業所レベルパネルデータ / 地域貿易協定(RTA) / チリ / ラテンアメリカ・カリブ / 海外直接投資 / 後方連関効果 / 現地調達率 / GVC上流度 / 費用関数 / グローバル・バリューチェーン(GVC)貿易 / 構造重力モデル / 海外直接投資(FDI) / GVC前方参加度 / GVC後方参加度 / 事業所レベルデータ / GVC参加度 / 中間財関税率 / 外国直接投資(FDI) / 生産性 |
研究開始時の研究の概要 |
外国直接投資(FDI)の受け入れを通した技術移転が新興国における国内企業の生産性向上の重要な経路であることは広く知られており、資源関連産業であっても製造業同様、多国籍企業へ中間財を供給することによる後方連関効果によって、国内企業の生産性向上がみられるかは、新興国の経済発展にとって重要な点である。本研究は経済パフォーマンスが良好な資源豊富国である南米チリを事例として、事業所レベルのパネルデータセットを作成し、1)多国籍企業がどのような特性を持つ場合中間財を海外から輸入するのではなく現地調達を行うのか、および2)後方連関効果が国内企業の生産性の向上にどの程度寄与しているかに関して実証分析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は資源豊富国であるチリを対象に、事業所レベルのパネルデータに産業別のグローバル・バリューチェーン(GVC)上流度のパネルデータをマッチさせ、多国籍企業の生産する財のGVCにおける上流度が国内原材料中間財のコストシェアで定義する現地調達比率に与える影響を分析した。その結果GVCにおける上流度が多国籍企業の現地調達比率に対して有意に正であることを明らかにした。さらに、ラテンアメリカ・カリブ域内の全33カ国を対象に地域経済統合の「深さ」が域内のGVC貿易に与える影響を分析し、ラテンアメリカ域内の関税同盟が域内のGVC貿易に対して有意に正であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多国籍企業と国内企業の間の後方連関が、海外直接投資(FDI)からの生産性スピルオーバーの主要な経路であることが知られている。しかし特定の新興国を対象にパネルデータを使用して後方連関の決定要因を分析した研究は稀であり、さらにGVCの上流に位置する資源部門へのFDIは現地経済との連関は限定的とされてきた。本研究は複数のデータソースを駆使して12年間にわたる詳細なパネルデータを作成し、チリにおいてはGVCの上流に位置する資源関連産業が後方連関を形成している点を示した点で学術的意義がある。さらに、資源豊富国の経済発展におけるFDIの役割に関して新たなエビデンスを提供した点でも社会的意義がある。
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