研究課題/領域番号 |
20K13528
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
NAM HOCHEOL 北星学園大学, 経済学部, 准教授 (80826355)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 企業間信用 / ワーキングキャピタル |
研究開始時の研究の概要 |
企業間信用は,会計上,販売先が流動負債として計上する「仕入債務」,仕入先が流動資産に計上する「売上債権」から構成される。企業間信用における研究は,ビジネス上,双方向の信用契約という特徴を考慮することが不可欠である。本研究では,仕入先と販売先が特定できるサプライチェーン・データを活用し,企業間信用が持つ財務的保険機能について分析する。さらに,企業間信用の決定要因分析において,M&A前後の企業の市場支配力と仕入債務の変化を観察する。本研究は,企業間信用の機能と決定要因の分析について,サプライチェーンとM&Aの観点から実証分析を行うことにより,コーポレート・ファイナンス研究の拡張を目的とする。
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研究成果の概要 |
日本の上場企業のM&A(企業間の合併・買収・事業譲渡など)データを取得し、M&A前後における企業のバーゲニング・パワーのシフトとそれに起因する仕入債務の変化について研究を行った。企業価値が高い(代理変数として、M&A前年の買収側とターゲット側の相対的な時価総額やターゲット企業の時価総額の自然対数)企業に対してM&Aを行った企業は、バーゲニング・パワーの上昇によりM&A以降に仕入債務の使用を拡大するという仮説を立て実証分析を行った。買収側の仕入債務を従属変数とする横断面データ分析を実施した結果、仮説を支持する統計学的に有意な結果が得られており、頑健性テストを加え論文を執筆し、国際学会で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイヤー側の仕入債務(一般に、手形の発行を伴う場合、支払手形の勘定に計上し、そうでない場合、買掛金に分類する。両者の合計を仕入債務という)は短期負債であり、その借入先は金融機関ではなく取引先のサプライヤーとなる。ビジネス関係に基づき成り立つ仕入債務は企業の代替的かつ補完的な資金調達手段として幅広く用いられている(日本企業の場合、総資産のうち約20%以上を占める)。仕入債務の水準を決める要因や、企業価値に与える影響について様々な研究が行われているが日本企業を対象とする研究はその重要性を考えれば決して多いとは言えない。日本企業の仕入債務における実証研究として本研究の成果は学術的・社会的意義を持つ。
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