研究課題/領域番号 |
20K13609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
前田 瞬 活水女子大学, 国際文化学部, 准教授 (40758984)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 医療情報システム / 意思決定支援システム / ブロックチェーン / エンドユーザ・コンピューティング / タイムスタディ / 医療の質 / 経営の質 / 組織的情報品質改善活動 / 内部コード設計 / 医業経営 / 根拠に基づいた経営 / モデル構築 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第1に、システムが備えるべき要件や具体的機能を解明することである。第2に、システムのモデル構築を行うことである。第3に、構築したモデルの現実の医療機関への適用可能性と課題を解明することである。 なお、第1の要件・具体的な機能の解明には、『意思決定支援システム(Decision Support Systems)』の枠組みを用いる。第2のモデル構築は、『アジャイル開発手法』という情報システムの開発手法に拠る。第3の適用可能性と課題の解明には『社会物質性』の分析視角からアプローチする。
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研究実績の概要 |
2021年度(前年度)に、情報システム構築の際の観点を科学的あるいは明示的に明らかにするための技術的アプローチとして「内部コード」という仕組みを取り入れた医療情報システム構築の可能性について指摘し、そのシステムのモデルを示した。2022年度は、その成果をもとに「構築したモデルの適用可能性の検証」を研究達成目標に掲げ、遂行した。 関連する業績として、論文2件、学会報告2件の研究成果を公表することができた。 まず、前田瞬・八鍬幸信(2022)の論文では、情報システムにブロックチェーンシステムを適用することで、情報システム上で蓄積・管理・共有する情報の品質保証を担保できるのではないかという可能性を指摘した。 次に、前田瞬・梅野潤子(2022)の論文では、ある社会福祉法人施設の「情報化実践(=組織の中でICTを如何に効率的・効果的に活用しているのか)」の事例を紹介した。エンドユーザ・コンピューティング(EUC)という情報システム利用概念を用いて、情報化実践事例を評価し、情報システム構築の際の「利用者指向」の重要性を指摘した。 次に、前田瞬・梅野潤子(2022)ならびに梅野潤子・前田瞬(2022)の学会報告では、本研究課題に関わる近隣領域(対人援助職を対象とした研究)のタイムスタディを実施し、情報システムが如何に対人援助サービスの質向上や業務効率の向上に寄与するのかを検討した結果を報告した。この研究を実施したことで、本研究の対象領域である医療機関の業務あるいは病院管理者の意思決定支援のための情報システム構築を如何にすべきかという点について多くの示唆を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記「研究実績の概要」に示しているように、2022年度の研究達成目標は、「構築したモデルの適用可能性の検証」である。これに関連する研究成果(論文ならびに学会報告)は一定程度公表することができた。 しかし、上記研究成果では、近隣領域である対人援助職に対するインタビュー調査は実施することができたが、本研究が対象とする医療機関へのインタビュー調査は十分に実施できていない。そのため、構築したモデルの適用可能性の検証について十分な意見を聴取できていないという現状がある。この理由は、依然としてコロナ禍の影響があり、医療機関への訪問調査について大幅に制限されているためである。 併せて、2022年度は、①研究遂行者が学内の臨時的な校務で多忙であったこと、②学会・研究会等がオンライン主体で開催されることが多かったため、国内外の研究者との研究交流も思うようにできておらず、本研究に関する客観的な評価を十分に得ることができていない。 以上の理由により、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の研究進捗状況を踏まえ、1年間研究機関を延長した。 上述したように、医療機関やその関連の対人援助サービスを提供する各種施設(特に、医療機関)へのヒアリング調査が実施できず、内部コード設計という考え方に基づいた情報システムのモデルの有用性について十分な検証を実施することができていない。2023年度は、引き続き、「構築したモデルの適用可能性の検証」を実施していきたい。 併せて、ここ数か月の間で各種学会・研究会等も対面で実施される機会が増えてきていることから、研究成果の発表を十分に実施し、他の研究者との学術交流も深めていきながら本研究の最終成果の質を高めていきたい。
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