研究課題/領域番号 |
20K13614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 京都大学 (2021-2023) 北陸先端科学技術大学院大学 (2020) |
研究代表者 |
佐藤 那央 京都大学, 経営管理研究部, 特定講師 (10850828)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 価値創出 / 制度変化 / 伝統と革新 / 制度 / 伝統 / イノベーション / 価値創造 / 文化的価値 / プロフェッショナリティ / カテゴリー生成 / 価値 / サービス・ドミナント・ロジック / エスノメソドロジー / 消費文化理論 |
研究開始時の研究の概要 |
数多の製品やサービスで溢れ、個人の価値観も多様化した現代社会において、市場での価値創出に寄与する仕組みを解明することは重要な課題である。近年、企業や顧客といった特定の主体のみへの注目を避け、多様なアクターとその背景にある文化や規範、集合的意味などといった「制度」を含む社会的システムの単位で価値共創の実践を捉えることが改めて提唱されている。本研究では、飲食サービスに対象を絞り、そのような制度が価値提案や評価に与える影響を検証するとともに、制度を更新する実践にも着目することで、制度的側面を踏まえた価値醸成メカニズムの解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究はこれまでその重要性は指摘されてきたものの、経験的な研究の乏しかった文化や規範、集合的意味などといった制度的側面を具体的な価値創出の実践を通して考察することで学術、実務的貢献を試みた。具体的には、確立されたバー文化の伝統を積極的に変革しようとする若手バーテンダーに焦点を当てることで、制度を参照しつつ新しい価値や意味を作り出す実践として「境界の架橋」、「規範の侵犯」、「領域の拡張」という特徴的なパターンを明らかにし、これまで既存の制度を規定していた枠組みを撹乱する戦略として記述した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が取り上げた「伝統」という一定の期間を通して構築された社会的な構造と、その革新に関する既存研究は、伝統を過去に関する何らかのモノや特徴に還元してしまう傾向にある。その結果、伝統の刷新は既存の要素と新しい要素の組み合わせなどによって説明されてきた。本研究は、伝統をそこに関わる人々の実践そのものとして捉えることで、その実践をずらし、これまでの伝統を規定するものを宙吊りにするという、これまでにない形での革新のあり方を示した。これは、実際に同様の問題を抱える老舗企業をはじめ、制度的な側面を踏襲しながらも革新を実現しようと試みる実務家にとっても示唆的であると考えられる。
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