研究課題/領域番号 |
20K13641
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
山下 知晃 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (50754553)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 条件付保守主義 / Basu (1997) / 会計上の保守主義 / Collins et al. (2014) / CFOの非対称性 / Basuモデル / 固定効果 / コストの下方硬直性 / カーテイルメント / CFO非対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
会計上の保守主義は実務的にも学術的にも大きな関心を集めている会計の重要な特徴の一つである。会計上の保守主義(特に条件付保守主義)に関する研究は、Basu[1997]による実証モデルが考案されて以降、そのモデルに依拠しながら大きく進展してきた。しかしながら、近年ではBasu[1997]の妥当性に疑問を投げかける研究成果が報告さるようになってきている。そこで、本研究では、日本企業についてBasu[1997]のモデルを用いて会計上の保守主義(条件付保守主義)を計測することの妥当性について検討する。そして、問題があった場合には、Basu[1997]のモデルを修正・改善するための方法について検討を行う。
|
研究成果の概要 |
会計上の保守主義は実務的にも学術的にも大きな関心を集めている会計の重要な特徴の一つである。本研究では会計上の保守主義の中でも条件付保守主義に注目し、その計測手法として広く用いられているBasu[1997]を日本のデータに適用する際の問題点を分析し、その改善策について検討を行った。本研究の主たる分析結果として、(1)日本のデータに条件付保守主義を適用する際には、Collins et al.[2014]によって指摘されたCFO非対称性が問題となること、(2)したがって、CFO非対称性によるバイアスを避けるために、アクルーアル・モデルを用いた条件付保守主義の計測を行う必要があることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
条件付保守主義は近年、財務会計領域で活発に研究が行われているテーマである。条件付保守主義を計測するために広く用いられてきたBasuモデルについては、米国を中心にその妥当性が議論されてきた。しかし、これまで日本のデータに対する検証は十分には行われてこなかった。本研究の成果は、日本のデータに対してBasuモデルを応用する際の問題点とその問題点への対処法を検討しており、日本企業の条件付保守主義に関する研究の信頼性を高めることに貢献するものと期待できる。また、本研究の成果は、日本企業の会計行動の特徴をより正確に理解することを可能にし、研究者のみならず実務家にとっても意義を有するものである。
|