研究課題/領域番号 |
20K13794
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
海和 美咲 相模女子大学, 栄養科学部, 助手 (00844200)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 共食 / おいしさ / 社会的促進 / 疑似的共食 / NIRS / 脳活動 |
研究開始時の研究の概要 |
他者と食事を共にすること(共食)は、食品をよりおいしいと評価する、摂食量を増加させるなどの報告があるが、どのような要因がそれらに影響するか、そのメカニズムは充分に解明されていない。 心理学では社会的促進や社会的抑制によって他者と食事の関係が論じられ、脳科学ではヒト脳機能イメージングの手法を用いておいしさの測定を試みている。 本研究ではこれらを複合的に検討し、共食によるおいしさ向上の要因を探る。ヒトは他者に見られることに強く影響されることから、食事中に「見られること」に焦点を当てる。また食事中のおいしさの主観的評価と生理的指標から、他者との食事においておいしさに影響を与える要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
誰かと一緒に食事をする場面では食事をおいしく感じると言われるが、どのような要因が影響するかは十分に解明されていない。本研究では、おいしさの評価と生理的指標から他者との食事におけるおいしさの違いとそれに影響する要因を明らかにすることを目的とした。疑似的な他者として目のイラストを用いることとし、開いた目、閉じた目、中点(control)の3条件で食事をしながらNIRSの手法で前頭前野皮質の賦活を観察した。その結果、3条件間でヘモグロビンの値およびおいしさ等の評価に有意差は見られなかった。これらから、目のイラストではおいしさや脳活動に影響を与え得る疑似的な共食相手にはなり得なかったことがいえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
共食者とのコミュニケーションによる気分の変化を伴わずに食事の社会的促進が引き起こされることが報告されており、食事をする誰かの視覚情報は充分に社会的促進を引き起こすことが示唆されている。また、前頭前野皮質の活性化は情報処理の過程で味覚に影響を及ぼすことが報告されている。 本研究では、実際にはその場に存在しない疑似的な他者相手の食事によるおいしさや脳活動の変化を検討することで、おいしさに影響をもたらす要因の一端を解明し、他者との食事ではもちろん、ひとりでもよりおいしく食事を摂ることができ、食事の質の向上に繋がる可能性がある。またどのような情報がおいしさに影響するかが分かれば、食品産業へ応用できる。
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