研究課題/領域番号 |
20K14054
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京工科大学 (2022) 国際医療福祉大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
外山 稔 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (30746095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 症候群性難聴 / 新生児聴覚スクリーニング / 語彙年齢 / 構文の発達 / 未就学児 / 補聴器 / 人工内耳 / 聴覚障害児 / 言語習得モデル / 学習言語 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児聴覚スクリーニング検査による難聴の早期発見が普及した現在、先天性聴覚障害児の早期補聴と療育は0歳代から開始される。1歳代では人工内耳を選択することも可能となったが、聴覚を活用し日常会話がスムーズに行われているように思われる場合でも、学童期に学習言語の遅れが生じることは従来から指摘されている。本研究は、療育者の書面同意が得られた聴覚障害児の聴力および言語発達のデータを収集し、児が言語を習得するうえで必要となる要素的な機能と相互作用を明らかにするものである。その成果による聴覚障害児の言語習得モデルの作成は、わが国の聴覚障害児の言語習得支援プログラムの開発とその体系化を強く押し進めると考える。
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研究実績の概要 |
本研究は、先天性聴覚障害児が言語を習得するために必要となる要素的な言語機能と相互作用を明らかにすることを目的としている。本研究計画は、①聴覚障害児の言語機能の分析(既存検査データの分析)、②言語習得過程の多重指標モデルを検証するための横断的調査、の2側面から構成される。 研究開始3年目となる本年度は、①研究代表者の所属研究機関変更によって生じたデータ解析環境の変化に対応し、解析環境(SPSS Statistics、SPSS Decision Trees)を再整備した。また、一昨年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に伴い未実施となっていた欠損データの再収集は、研究参加児及び養育者のCOVID-19感染、養育者所属機関の感染対策ガイドラインを鑑みて本年度も保留とした。今後、既存検査データのうち再検査が必要と考えられた児の検査データは、欠損値として処理する。②昨年度の研究期間内に研究参加の同意・代諾が得られた就学前の聴覚障害児の裸耳聴力と矯正聴力、WPPSI-Ⅲ知能検査、PVT-R絵画語い発達検査のデータを収集し、医療機関及び母親の記録に基づく言語発達の過程を整理した。本年度は先天性聴覚障害児3名(双子男児2名、女児1名)を研究参加者に新規登録し、横断的データの収集を順次進めている。 2023年5月8日以後はCOVID-19が感染症法上の5類感染症に移行するため、集団及び個別のデータ収集に対する研究参加者の協力がこれまで以上に期待できる。次年度は、科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長を申請し、本課題を継続する計画である。また、国際学会(32st World Congress of the International Association of Logopedics and Phoniatrics)に於いて本研究の成果を報告する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始3年目となる本年度は、①既存データの修復および再検査が必要と考えられた児の再検査、②聴覚障害児の横断的調査対象児数の拡大を予定していた。研究①と②に係る共通事項として、研究開始1年目と2年目に発令された緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置、COVID-19小児感染者数の増加等が対人接触上の制約となり、本研究課題の遂行に大きく影響した。研究①は、既存検査データの解析を一部実施しているが、欠損データの再収集には至っていない。研究②は、横断的調査の対象となる聴覚障害児の新規募集を本年度再開したところである。上記理由により、当初の研究計画に比し「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長を申請し、本課題を継続する計画である。 次年度の推進方策は、次の通りである。①聴覚障害児が日本語を習得するための要素的機能を聴力および言語検査の結果から同定し、多重指標モデルおよび因子間相互モデルの作成による言語習得過程のスキル構造を抽出する。②聴覚障害児の横断的調査を継続するとともに、収集したデータを多重指標モデルと比較・検討する。また、2023年8月開催の国際学会(32st World Congress of the International Association of Logopedics and Phoniatrics、Auckland、New Zealand)に於いて研究成果の一部を報告する。
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