研究課題/領域番号 |
20K14077
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
石井 和也 宇都宮大学, 大学教育推進機構, 准教授 (70822683)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ルーブリック / 学習成果可視化 / 学習支援 / 居場所 / 学生発案型授業 / ラーニングアウトカムズ / 大学生 / 自己評価 / 教学マネジメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学生及び大学が,それぞれの改善と説明責任を果たす目的で取組みが進められている学習成果可視化に注目し,学生にとって有意味な学修成果可視化を明らかにすることを目的とする。具体的には,「学生自身による自己評価をどう評価すればよいか」及び「学生自身の学習改善とその自己評価の実状はどのようなものか」という学術的問いを軸にし,「学生の声」に徹底して耳を傾けることにより,学生の自己評価の実状を明らかにし,それをどう評価すべきか検討するとともに,学生にとって意味のある学習成果可視化とはどのようなものかを明らかにする。 研究手法は,学生グループへのインタビュー調査およびアンケート調査が主となる。
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研究実績の概要 |
本研究は,学習成果可視化において,学生の学習改善とアカウンタビリティが適切に行なわれているかを検証するという目的の下,「学生自身による自己評価をどのように評価すればよいか」及び「学生自身の学習改善とアカウンタビリティの実状はどのようなものか」という学術的問いを立て,学生の自己評価の実状 を明らかにし,それをどのように評価すべきか検討するとともに,学生にとって意味のある学習成果可視化とはどのようなものかを明らかにしていく。 本年度は,昨年度に引き続き,学生の自己評価の実状を明らかにし,それをどのように評価すべきかを明らかにすることを目的とし,大学生の正課内外の諸活動の状況,それに対する学生自身による自己評価の実状,こうした自己評価を学生はどのように活用することを望んでいるか,実際にどのように活用しているかといった4点について,X大学の学生を対象とした質的調査を継続的に行った。 具体的には,X大学のある授業において,ルーブリックの作成過程に学生を関与させ,完成したルーブリックによって自己評価をさせるという取り組みを引き続き実施し,その成果と課題を洗い出した。その結果,学生がルーブリックの意義についを自ら見出すことを通じて,ルーブリックが学習効果を高めることに有益であることが示唆された。その一方で,ルーブリック等の多面的評価を実施する際に,適切な助言を行う学習支援が必要とされることが明らかとなった。 そこで,ルーブリックのような多面的評価指標を用いた自己評価を実施する際に,どのような学習支援を提供することで,学生自身の学習改善を促すことができるか,という観点で継続的に研究を行っている(具体的には,X大学にて新たな学習支援サービスを試行的に行い,その結果を分析している)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍が徐々に沈静化してきたことにより,X大学にて,対面による質的調査を十分に実施することができた。また,X大学にて,自己評価を支援するための新たな学習支援の仕組みを試行的に実施することができた。 以上のことから,本研究は「おおむね順調に進展している」と判断するのが妥当である。
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今後の研究の推進方策 |
X大学にて,学生による自己評価をサポートするための学習支援を継続的に実施することで,大学生の正課内外の諸活動の状況,それに対する学生自身による自己評価の実状,こうした自己評価を学生はどのように活用することを望んでいるか,実際にどのように活用しているかといった4点について把握し,概念モデルの構築を経て,学生の自己評価に関する理論モデルの構築を試みる。 併せて,学生と教員とが協働して作成するルーブリックが,学生の自己評価や教員による評価にどのような影響(効果)を与えるかと言うことについても継続的に調査を行い,このような形のルーブリックの他授業への応用可能性を探る。 さらに,自己評価を支援するための学習支援の適切な在り方についても検討を重ね,どのような学習支援を提供すべきかという実践的な課題に対しても有益な知見を提供できるよう実践的研究を進めていく。
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