研究課題/領域番号 |
20K14177
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
寺尾 尚大 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (70827055)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 順序多肢選択式項目 / 誤答選択肢 / 系統的錯乱枝生成法 / 選択肢リスト / 順序分割モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,種類の異なる誤答選択肢の難易度の順序性や階層構造を考慮した順序多肢選択式問題から,受験者の能力に関する情報を最大限に引き出す誤答選択肢の組み合わせ方を解明することである。 研究1では,共通の特徴をもつ複数の誤答選択肢をリストとしてまとめ,リスト内の誤答選択肢間の難易度のバラつきの程度や難易度の高低をもたらす要因を検討する。研究2では,複数の誤答選択肢リストを用いて,リスト間の難易度の順序性や階層構造を検討する。研究3では,上記2つの研究知見に基づいて多様な難易度の誤答選択肢を組み合わせた順序多肢選択式問題を作成し,受験者の能力に関する情報を豊富に得られる試験問題の条件を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では,複数項目にわたって選択状況を可視化できる誤答選択肢カスケード分析を開発した。順序多肢選択式問題中の同一の難易度水準にある誤答選択肢が複数項目にわたって連続して選択されているかどうか確認できる。この成果はEducational Measurement: Issues and Practice誌の統計図表の可視化コンペティションで入賞した。 次に,高校生227名に対し順序多肢選択式で作成された英語文章読解問題への解答を求めた。全体的に難易度の高い問題セットとなっており,選択肢作成時の意図に沿った順序性が見られた試験問題は,実験に用いた全12問中3問にとどまった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,古典的な項目分析ではとらえきれなかった,複数問題にわたる選択パターンを可視化する手法を開発し,実データを適用した事例を創出した。これまで1問1問に対する統計的分析にとどまっていたところ,複数個の問題にわたる選択状況を把握する可視化手法を開発したことにより,同一難易度水準の選択肢が連続して選ばれているか等の確認を行える点が画期的であり,学術的意義が高い。この特長は,順序多肢選択式問題の品質を評価する上でとりわけ有用な統計図表となり,統計に必ずしも明るくない者にも解釈可能な図となっている点は,実用性も高い。
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