研究課題/領域番号 |
20K14186
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福元 優子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床心理士 (80869090)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 母親学級 / 虐待予防 / 妊娠期 / 育児支援プログラム / 被養育体験 / 産後うつ / 世代間伝達 / 愛着 / 虐待 |
研究開始時の研究の概要 |
現行の妊婦健診では明らかなリスクを抱える妊婦への支援は行われるが、周囲に気付かれにくく本人にも自覚されづらい心理的リスクを有する妊婦は見過ごされやすい。しかし、心理的リスクから育児困難感につながり、虐待に発展することがある。心理的なリスクとして、特に妊婦自身の親との愛着形成の不全が関与していることが知られている。そこで、母親学級をベースにし、母親の養育に対する不安感や困難感の背景を理解・自覚し、他者と共有することで不安を軽減し、より早期に必要な支援へとつながりやすくなる虐待予防プログラムを開発する。
|
研究成果の概要 |
産後1ヵ月健診で同意を得られた産褥婦10名を対象に、自身の被養育体験と育児信念の関連を明らかにする目的で面接調査を行った。面接内容を質的帰納的に分析した結果【育児観・信念】【家庭環境】【家族関係】【自己感情と対応】【親との関係性】【大人との関り】の6つのカテゴリーが形成された。【育児信念】は被養育体験、被養育環境と複雑に関連しており、それらを母親が認知し養育することは、母親の心理的健康に貢献でき、主体的な育児参加や必要な支援につながるための重要なきっかけとなることが示唆された。今後得られた指標を加えて育児支援プログラムの作成と母親学級での実施を目指す。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「育児観・信念」は、母親自身の被養育体験が複雑に関連しているが、被養育体験を振り返り認知すること、自身の育児信念を認知することは他者の介入によって進む作業である可能性が考えられた。妊娠期にそうした場を設け、支持的に傾聴し、母親自身が抱える養育に対する困難さへの支援は、母親の心理的健康に貢献でき、主体的な育児参加、必要な支援につながるための重要なきっかけであると示唆された。周産期における母親支援の基礎資料として、活用できると考える。
|