研究課題/領域番号 |
20K14213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 駿太 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30823603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ストレス / コルチゾール / 習慣行動 / 回避行動 / 目標志向行動 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究では,ストレスを感じる出来事を経験すると,熟考に基づく行動よりも普段行っている「習慣行動」をとりやすくなることが示されてきた。このような習慣行動が過度になってしまうと,心理的な不適応状態につながるおそれがある。本研究においては,ストレスを感じる出来事が習慣行動に及ぼす影響についてさらなる裏づけを目指すとともに,このような習慣行動への依存を緩和する要因を検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
急性ストレッサーが習慣的な回避行動に及ぼす影響を実験によって検証した。計39名が研究に参加した。参加者にはまず回避行動を学習する課題に従事してもらい,実験群の参加者のみには急性ストレッサーの負荷を課し,急性ストレッサーへの曝露を操作した。その後,以降回避行動をとる必要がないという教示を行い(価値低減手続き),その後生起した回避行動を習慣的回避行動として群間で比較した。データ分析の結果,習慣的回避行動の生起確率には群間差はみられなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は,ストレスが望ましくない習慣的行動の生起に影響を及ぼすメカニズムの一端を明らかにすることであった。具体的には,回避行動が強固に形成されると,もはやメリットが得られなくなっても「自動的に」その行動が継続されてしまいやすいとされているが(習慣的回避行動),ストレスがこの習慣的回避行動の生起を促進するという仮説を検証した。本研究成果からは,この仮説は支持されなかった。本研究の知見のみでは一般化には限界があるが,習慣的回避行動の生起は少なくとも一過性のストレスによって促進されるものではないことを示唆するものであり,不適応的な行動の変容に資する基礎的知見としての意義を有すると考えられる。
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