研究課題/領域番号 |
20K14258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富松 江梨佳 九州大学, 芸術工学研究院, 特別研究員 (20584668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 時間知覚 / 能動的時間 / 受動的時間 / 時間錯覚 / 時間伸長錯覚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、能動的な「操作感」が、時間の長さの知覚に与える影響を、心理物理学的手法を用いて調べ、その影響の生じる仕組みについて検討する。まず、単純な刺激を用いて、操作感がないとき、物体の運動知覚や自己運動の知覚が時間長の知覚に影響するかどうかを検討する。それを土台として、能動的な操作感と外的変化との結びつき方が時間知覚にどのような影響を及ぼすかを詳細に調べることにより、自分で操作しているという認識が時間知覚に与える影響について検討する。これらの実験結果から、我々の作り出す「時間」という感覚がどのようにして生み出されているのかを考察する。
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研究実績の概要 |
本研究では、能動的な操作感が時間の長さの知覚に与える影響を、心理物理学的手法を用いて調べ、その影響の生じる仕組みについて検討している。まず、単純な刺激を用いて、操作感がないとき、物体の運動知覚や自己運動の知覚が時間長の知覚に影響するかどうかを検討し、それを土台として、能動的な操作感と外的変化との結びつき方が時間知覚にどのような影響を及ぼすかを詳細に調べることにより、自分で操作しているという認識が時間知覚に与える影響について検討している。これらの実験結果から、我々の作り出す時間という感覚がどのようにして生み出されているのかについて考察を試みる。具体的には、能動的な動きを表す刺激を作成し、その刺激の提示時間の長さがどのように知覚されるかを検討した。能動的な動きを表す刺激を、観察者にとって受動的になるように提示し、その刺激に対して主観的な提示時間の長さを測定した。その結果、能動的な動きを示す刺激の方が、能動的な動きを示さない刺激よりも長く提示されていたように感じられることがわかった。さらに、能動的な動きの速さを強調するような付随物が提示時間を長く知覚させるかどうかを検討した。その結果、能動的な動きの速さを強調したものと、強調しないが付随物として認識できるものでは、同程度提示時間を長く感じさせることが示された。また、このような付随物がなくとも、能動的な動きから速さを認知することが、時間長を長く感じさせる効果を持つことが示唆された。一連の実験結果から、刺激の形状や付随物ではなく、能動的な動きの速さを認知すること自体が、主観的な提示時間の長さに影響している可能性を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
能動的な動きを表す刺激を作成し、物体の能動的な動きの認知物体の提示時間長の知覚に与える影響について、実験心理学的手法を用いて調べた。また、能動的な動きに付属する情報が、提示時間長の知覚に影響を与えるかどうかを検討した。これまでに得られた知見をもとにして作成した能動的な動きの認知を生じさせる刺激およびその動きを強化しうるものを付加した刺激を用いることによって、運動認知と時間知覚との関係性について定量的に調べたデータが得られており、着実に研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、能動的な操作感がある場合とない場合を用意し、両者において、物体の動きの認知が時間長の知覚に対して与える影響が異なるかどうかについて、実験心理学的手法を用いて調べる。操作感のない場合かつ外的変化が知覚・認知される場合の時間知覚を調べるために、錯覚的な動きや認知的な動き、自己移動感を生じさせる刺激を用いる。これらの刺激をディスプレイ上に提示し、その知覚的な提示時間長を測定する。さらに、能動的操作と外的変化が時間知覚に与える影響を調べる予定である。まず、刺激提示中に能動的操作を行う場合について検討する。例えば、刺激が提示されている間ボタンを押し続けるように教示されたとき、すなわち、参加者が能動的操作を行うときと、ボタン押しをしないとき、すなわち、参加者が操作を行わないときとで、測定される刺激提示時間の知覚的長さに差が生じるかどうかを調べる。これによって、能動的時間と受動的時間における時間の長さの感じ方の違いを明らかにできる。その後、能動的操作と外的変化が一致する必要性について検討する。例えば、手を能動的に動かす方向と刺激の運動方向が一致する場合と一致しない場合の知覚的時間長を比較する。もし、能動的に刺激を操作しているという認識が時間知覚を伸長するならば、操作の方向と刺激の方向が一致する場合に時間知覚が長くなる。また、物理的には変化しないが、認知的に変化する場合、能動的操作は影響するかどうかを検討する。一連の研究成果から、能動的な操作感が、時間の長さの知覚に与える影響を考察する。
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