研究課題/領域番号 |
20K14260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡部 祥太 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (00747256)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラット / 超音波 / オキシトシン / 親和性 / 不公平忌避 / 撫でる / 親和的関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的動物は同種だけでなく、異種とも親和的な関係性を構築する。保護された幼い野生動物が一緒に育った異種動物と仲良くなることは数多く報告されている。また、イヌやネコなどの伴侶種がヒト社会に浸透している状況も、異種への親和性に起因していると言える。このような親和性がどのようなメカニズムで成立しているのか解明することは、多種多様な他者と関係性が結ばれ、社会が醸成されていくメカニズムを理解する上で重要な示唆をもたらす。 これまでの研究でラットのヒトに対する親和性にホルモンの一つであるオキシトシンが関与する可能性が見出された。本研究ではオキシトシンの働きを操作し、ヒトに対する親和性が変化するのか検証する。
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研究実績の概要 |
異種に対する親和性の形成におけるオキシトシンの機能解明を目指した研究の途上で、人に対して親和的な反応を示すようになったラットが不公平条件などの条件下で発する31-kHz帯域の超音波を発声することを明らかにした。この音声の生物学的意義の解明はラットの情動を推察する上で重要であり、異種間の関係性の性質を推し量る要素となる可能性がある。そこで、音声の再生実験を進めラットの反応を調査した。ラットが発する様々な超音波を曝露し行動を観察したところ、ラットが仲間と遊んだり報酬を与えられた時に発する50-kHz帯域の音声と同様に31-kHz帯域の超音波に対してラットが接近行動などを示すことが明らかになった。この実験では一匹のラットから録音した音声を用いていたため、他のラットが発した31-kHz帯域の超音波の再生実験も行い、超音波曝露時の行動・神経活動が普遍的な現象かどうか検証を進めている。 次に親和的な関係性構築におけるオキシトシン神経系の機能検証も進めた。具体的には親和性を示すラットが人と触れ合っている際のオキシトシン受容体発現細胞の神経活動を調査した。 さらに、実験対象を人とロボットにまで拡張した研究を行い、ロボットと人の親和性の形成にオキシトシンが機能する可能性を明らかにした。 これらの研究については分析を進めており、一部は論文としてまとめ、現在投稿中である。
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