研究課題/領域番号 |
20K14287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大井 雅雄 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (40868171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 局所Langlands対応 / Langlands関手性 / 正則超尖点表現 / 相対Langlands対応 / beyond endoscopy / Swan 導手 / Swan導手 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,Langlands関手性と呼ばれる表現論的現象を,明示的局所Langlands対応の理論によって調べることである. 具体的には,Langlands関手性と特別表現の関係を記述するPrasadの予想の解決と,beyond endoscopyの指標関係式の定式化を目指す. このいずれの問題に関しても,まずは正則超尖点表現と呼ばれる表現の場合に起こる現象を,Kaletha氏によって確立された明示的局所Langlands対応の理論を用いて調べる.そしてそれを元に,一般の場合における精密な予想を定式化して証明する,という流れで取り組む予定である.
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研究実績の概要 |
今年度実施した研究は大きく3つの方向性に分けられる. まず,前年度にGuy Henniart氏と実施していた斜交群の単純超尖点表現の局所Langlands対応の研究に関して,直交群の場合の変種に相当する問題に取り組んだ.この研究にはMoshe Adrian氏とEyal Kaplan氏も共同研究者として加わり,計4人での共著論文を執筆する運びとなった.この論文はarXiv等で発表済みであり,現在雑誌に投稿中である.またこの問題から派生して,Swan導手の関手的振る舞いに関する論文もGuy Henniart氏と執筆した.こちらの論文は既に出版済みである. 次に,Alexander Bertoloni Meli氏と,局所Langlands対応の幾何学的・圏論的視点からの新たな定式化に関する研究を行い,論文を執筆した.この論文も既にarXiv等に発表済みであり,現在雑誌に投稿中である. 最後に行った研究が,toral型と呼ばれる正則超尖点表現の局所Langlands対応について,捻られたエンドスコピー指標関係式を証明する,というものである.この結果に関しては,個人ウェブサイトで論文は発表済みであるが,雑誌への投稿までにはもう少し手を加えたいと考えており,現在推敲中である. 以上を含めた研究期間全体の成果を振り返ると,たとえば相対Langlands対応の研究に深く踏み込めなかったという点で,本研究計画の目的そのものは達成できなかった.一方で,Swan導手に関する研究成果などは,当初全く予期できなかった方向性でありながらbeyond endoscopyの研究計画とも密接に関連しており,また本研究の問題の想定外の深さ・難しさを示唆するものである.当初の計画からは逸れることとはなったが,様々な方向性への広がりも見つかったと考えている.
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