研究課題/領域番号 |
20K14292
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 九州大学 (2022-2023) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松坂 俊輝 九州大学, 数理学研究院, 助教 (60868157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | モックモジュラー形式 / 双曲型アイゼンシュタイン級数 / サイクル積分 / Rademacher記号 / モジュラー結び目 / 偽テータ関数 / 量子不変量 / 多重Bernoulli数 / 双曲型Eisenstein級数 / 実二次体 / 双曲アイゼンシュタイン級数 |
研究開始時の研究の概要 |
モジュラー形式のフーリエ係数には,数論的に重要な情報が様々に現れる.これをカスプのまわりでの様子と見るならば,虚二次点や実二次点のまわりにおいては,どのような現象が見られるだろうか.本研究テーマは,ヘッケやピーターソンに由来するこの3種のフーリエ係数の数論的な役割について,この十数年の間に急速に進展している多種の非正則なモジュラー形式の理論を導入し,また相互に影響を与え発展させることで,その解明を目指すものである.
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研究成果の概要 |
モジュラー形式のサイクル積分という,解析的な文脈で80年以上前に導入された謎に満ちた対象を,近年の発展著しいモックモジュラー形式の理論を用いることで,数論やトポロジーの観点から研究し,その応用をいくつか与えた.例えば,楕円モジュラーj関数と呼ばれる数論の重要な関数に対して,そのサイクル積分自体は未だ性質の不明な複素数であるが,それを束ねた母関数のさらなるサイクル積分を考えると,ある2つの測地線が何回交差するかという幾何的な情報が得られるなど,意外にも思える結果を得ることができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極めて古典的な対象であるにも関わらず,その数論的な役割が謎に包まれていた「サイクル積分」について,その数論的な側面に留まらず,トポロジーの研究との深い繋がりを見出せたことは,意外性もあり,今後の研究に大きな展望を与えるものである.また,モックモジュラー形式という,比較的新しく,また未だ国内に専門家が多くなかった理論を積極的に導入して,その新たな応用を与えたことも,意義が大きいと考える.
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