研究課題/領域番号 |
20K14312
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
加葉田 雄太朗 長崎大学, 情報データ科学部, 助教 (40830097)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 特異点論 / 写像の微分幾何学 / 曲面 / 曲線族 / ガウス曲率負一定曲面 / 視覚の数理 / 輪郭 / 曲線 / 局所微分幾何学 / 射影 / 直行射影 / 接触 / 曲面曲線 / 極小曲面 / 視覚の数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では曲面や曲線とその射影写像に関して,退化した点の周りでの微分幾何学的研究方法の確立を目的とする.具体的には,特異点論の手法を援用しながら以下A,Bのテーマを明らかにする.A. 曲面や曲線の退化した点近傍での種々の不変量の構成とその幾何学的な意味の決定.B. 曲面(曲線)と射影の輪郭(像)それぞれの不変量の関係式の明示的な決定.さらに得られた結果を用いて,極小曲面の局所的性質の研究や視覚の数理モデルへの応用研究にも取り組む.
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研究実績の概要 |
2022年度は曲面や曲線とその射影写像に関して,特異点論を用いた微分幾何学的研究方法,およびそれを用いた曲面の分類に関して以下の研究活動を行なった. [A. 曲線や曲面の微分幾何学的研究] 前年度に引き続き可積分系との関連や視覚の数理など他分野への応用という観点から曲線や曲面の局所微分幾何学的な性質の研究を推進した.とりわけ,福井氏(埼玉大学)との共同研究により,ガウス曲率負一定曲面の中で2-ソリトンというサインゴルドン方程式の中の特別な解のクラスに対応する曲面のクラスの分類を特異点論的観点から行った,これによりA. Popovが2011年に与えた分類に対してより明快な特徴づけを与えることができた. [B. 曲線や曲面の射影に関する研究] 前年度に引き続き,曲線や曲面の射影写像について,元の曲線や曲面とその射影像との関係について局所微分幾何学的な観点から研究を行なった.特に,安生氏(OLM Digital)との共同研究で,曲線族の微分幾何学を応用した視覚の数理における順問題と逆問題を解くための基礎理論を発展させた.また,佐治氏(神戸大学)と長谷川氏(岩手医科大学)との共同研究で輪郭線が特異点を持つ場合へのKoenderinkの定理の拡張について研究した. 本科研費のテーマに関連して,写像の微分幾何学にについての高橋氏(室蘭工業大学)との共著論文が出版された.また,上記の研究成果の一部を国際研究集会(オンライン)や国内研究集会で発表し,国内外の研究者と情報交換を行なっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で一部の共同研究の停滞はあった一方で,ガウス曲率負一定曲面の研究に関して予想以上に良い結果が得られたと考えているため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に得られた成果をもとにして,曲面や曲線とその射影写像の特異点論を用いた微分幾何学的研究方法の確立目指す.そのためにも共同研究者との打ち合わせを綿密に行う.また,本研究課題では他分野への応用も目標としているので,様々な分野の研究者との交流もおこなう.
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