研究課題/領域番号 |
20K14324
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯野 優介 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (80783076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フォンノイマン環 / 冨田・竹崎理論 / 離散群の非特異作用 / エルゴード理論 / III型フォンノイマン環 / 自己同型 |
研究開始時の研究の概要 |
私はIII型フォンノイマン環について研究している.これは物理学にも現れる自然な研究対象である.本研究はdeformation/rigidity theoryと呼ばれる理論を,III型フォンノイマン環に対して再現する事を目標としている.冨田・竹崎理論の連続核と呼ばれる道具を用いた研究を行う.具体例として,群の測度空間への作用や,自由荒木・Woods環の構造を研究する.例えば群作用の事を覚えているようなフォンノイマン環の例や,自己同型群を適切に理解出来るようなIII型フォンノイマン環の例を探したい.
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研究成果の概要 |
フォンノイマン環の近年の話題の中心であるdeformation/rigidity理論を,III型フォンノイマン環というクラスに対して再現する事を目標としていたが,非常に満足のいくレベルでこれを達成する事が出来た.特に応用として,離散群のフォンノイマン環への作用であって,構成されるフォンノイマン環がもとの群作用の情報を完全に覚えているような例を構成する事が出来た.これは離散群の測度空間への作用の場合によく知られた例があるが,これをフォンノイマン環への作用の場合に拡張した最初の例である.他にも非特異ベルヌーイ作用に対して,solidと呼ばれる剛性の性質を示す事が出来た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は(III型でない)フォンノイマン環論において知られている理論を,冨田・竹崎理論を用いて,III型のフォンノイマン環に拡張する,というものである.III型フォンノイマン環は非常に扱いが難しく敬遠されがちであるが,一方で数理物理学などにも表れる自然な研究対象である.また幾何学的・確率論的に興味深い具体例も数多く存在している.本研究はそのような自然な対象の理解を深めるものであり,基礎的な研究として意義があると考えている.
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