研究課題/領域番号 |
20K14345
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
檜垣 充朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (20868202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Navier-Stokes方程式 / 境界層理論 / 壁法則 / 正則性理論 / John領域 / 均質化理論 / 外部問題 / スペクトル理論 / 非圧縮性粘性流体 / 軸対称流 / 解の漸近挙動 / 安定性 / 制御問題 / Navier-Stokes 方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水などの粘性流体が物体壁面から受ける効果を解析する。現実の流体が接する壁面は微視的な粗さを持つ境界と見なされることが多い。粗面付近の流れの構造解析に有効な手法として、流体力学における壁法則が知られている。壁法則を応用し、粗面の効果を Navier-Stokes 方程式の正則性理論の観点から調べる。また、回転物体周りの平面流体の数理解析は基本的な研究であるものの、二次元外部問題に特有の困難が知られている。定常解の安定性解析に取り組み、数学的一般論の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
水や空気などの粘性流体が物体壁面から受ける効果を解析することを目的とし、典型的な問題として、粗面を持つ領域および二次元物体の外部においてNavier-Stokes方程式を考察した。主な研究成果としては、粗面John領域における線形/非線形定常方程式の境界正則性理論の確立、壁面吸込による定常流れの局在化効果の解析とその三次元軸対称流れへの応用、臨界減衰する吸込流の二次元円板外部における漸近安定性の証明の三つが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流体方程式の境界正則性理論をJohn領域において確立できたことは理論・応用の両面において意義深い。実際、John領域はKoch雪片などのフラクタル境界を持つ領域を含むクラスとして知られており、自然界で見られる粗面や複雑境界のモデルとしてより妥当なものである。また、壁面吸込を伴う流れがNavier-Stokes方程式の解にある種の安定化効果を与えることを、その周りにおける非線形方程式の定常解の存在や擾乱に対する長時間安定性といった多角的な観点から捉えた。これは特有の困難が知られる平面流体の数学理論の進展につながる成果であるため意義深い。
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