研究課題/領域番号 |
20K14357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柏原 崇人 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (80771477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アイソパラメトリック有限要素法要素 / 摩擦型境界条件 / ナビエ・ストークス方程式 / プリミティブ方程式 / 動弾性体方程式 / 領域摂動誤差 / 不連続Galerkin法 / Signorini接触条件 / 摩擦型漏れ界面条件 / Rhoteの方法 / ビンガム流体 / H^2正則性 / 滑り境界条件 / 有限要素法 / アイソパラメトリック要素 / 不連続ガレルキン法 / シニョリーニ条件 / クーロン摩擦条件 / 接触・摩擦境界条件 / Navier-Stokes方程式 / 誤差評価 / 領域摂動 |
研究開始時の研究の概要 |
流体の数値シミュレーションの数学的正当化を目指して、(I) 摩擦型境界条件モデルの発展と、(II) 滑らかな領域における偏微分方程式の数値解析という2つの研究テーマを設定する。(I)については、数値流体力学における摩擦型境界条件の利用を促進するため、既存モデルの拡張として、摩擦型界面条件モデルや摩擦型境界層条件モデルを提案し、適切性・正則性・数値解法の妥当性を証明する。(II)については、領域摂動を考慮した誤差評価の理論を、より高精度な有限要素法や他の数値解法の場合(差分法など)に拡張する。
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研究成果の概要 |
流体の数値シミュレーションの数学的正当化を目指して、(1)摩擦型境界条件モデルの発展と、(2) 滑らかな領域における偏微分方程式の数値解析を研究した。(1)では摩擦型界面条件を提案し、適切性と数値解法の妥当性を示した。さらに、Navier-Stokes方程式の摩擦型境界条件の解の正則性と、速度を含むようなSignorini型接触条件を課した動弾性体方程式の可解性を証明した。(2)では、領域摂動を考慮した有限要素法の誤差評価を高次のアイソパラメトリック要素の場合に拡張し、さらに、放物型方程式に対する時間不連続Galerkin法に対するLpノルム評価を改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学の諸分野に現れる流体現象を分析・予測するための手法として、数値シミュレーションは不可欠な技術となっているが、その急速な発展に対して数学的正当化が十分に追いつけていない側面がある。本研究は、摩擦型境界条件と有限要素法という2つのトピックにおいて、数学解析と数値解析双方の視点に整合する理論を構築することを目指したものである。偏微分方程式問題としての適切性や正則性、および数値解法の妥当性という観点から首尾一貫した数学理論を確立することは、流体の数値シミュレーション技術の基盤構築に貢献する。本研究の成果もその一助となることが期待される。
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