研究課題/領域番号 |
20K14362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
若生 将史 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (50778587)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 強連続半群 / サンプル値系 / 安定性解析 / 半一様安定性 / 多項式安定性 / ケーリー変換 / functional calculus / 入力状態安定性 / 無限次元系 / 発展方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
連続時間ダイナミクスを持つ制御対象を,離散時間で動作するコンピュータによって制御する制御系をサンプル値系という.本研究の目的は,どのような摂動に対して無限次元サンプル値系の安定性がロバストであるのか,あるいはそうでないのかを明らかにすることである.その際の困難は,サンプル値系において連続時間と離散時間のダイナミクスが混在するために,従来の連続時間系の摂動論を単純には適用できない点である.本研究では,異なるダイナミクスが混在する系の扱いに長けた制御理論を,抽象的発展方程式の理論と融合させることで,無限次元サンプル値系に対する新たな摂動論を開拓する.
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研究成果の概要 |
制御対象として,遅延微分方程式や偏微分方程式で記述される無限次元系を取り扱った.無限次元系のダイナミクスに摂動が含まれる場合に,サンプル値制御系の安定性が保存されるための条件を導出した.そして,このロバスト安定性解析の知見を活かし,必要なときだけ系の出力の測定や制御入力の更新の行うイベント駆動制御・自己駆動制御の理論を構築した.さらに,従来研究されてきた一様指数安定性よりも弱い安定性の概念である半一様安定性に着目し,半一様安定な系を離散時間化した際の減衰率を評価した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の情報通信技術の発展に伴い,通信ネットワークとコンピュータを活用した制御が主流となっている.これは,偏微分方程式や遅延微分方程式で表現される無限次元系も例外ではない.本研究で構築した解析手法により,無限次元系に対するサンプル値制御の安全性を理論的に保証できるようになった.さらに,センサの消費電力やデータ通信頻度を考慮した設計理論を構築したことで,無限次元系の制御において安全性と省資源・省エネルギー化を同時に実現することが可能となった.
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