研究課題/領域番号 |
20K14427
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
熊谷 嘉晃 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60842739)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 励起エネルギー移行 / 金属ポルフィリン多量体 / 協働作用 / 水和環境 / 光アンテナ分子 / 人工光合成 / 時分割計測 / 液体分子線 / 励起電子・正孔緩和過程 / 水和作用 / 時分割X線オージェ電子分光 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能社会の実現に向けて, エネルギー問題は喫緊の社会課題である. その解決策の必然的な選択肢として, 自然エネルギーの一つ, 太陽光エネルギーを有効利用した人工光合成が挙げられる. 人工光合成デバイスの理想環境として水溶液が挙げられ, 水和環境下における人工光合成のエネルギー効率向上は重要視されている. 本研究では, 人工光合成における光アンテナ分子, 金属ポルフィリン多量体に着目し, 励起エネルギー移行効率に対する水和環境の協働作用の解明を目指す. 本研究成果の活用により, 水和環境下における人工光合成のエネルギー効率向上が期待される.
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研究成果の概要 |
水溶液は人工光合成や太陽光発電における理想系のひとつである. しかし, 水和環境下では, 溶媒和相互作用に由来した溶質分子の構造異性化および電子状態変化が励起エネルギー移行過程を複雑化させる. 当該研究課題の最終目標は, 時分割軟X線オージェ電子分光法を溶液試料に対して確立し, 光アンテナ分子のひとつである金属ポルフィリン多量体の励起エネルギー移行効率に対する水和環境の協働作用を解明することである. 当該研究期間においては, 水溶液試料を標的とした軟X線電子分光法におけるエネルギー分解能を大幅に向上した. また, 気相の有機分子に対して軟X線レーザーを用いた時分割計測実験を実施した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水溶液試料に対する軟X線レーザーを用いた時分割オージェ電子分光法に不可欠な基幹技術が当該研究において確立された. すなわち, 液相状態を保ったまま溶液試料を真空実験槽導入する液体分子線技術, 溶液試料に対する軟X線光電子分光、軟X線レーザーを用いた時分割計測技術等である. これらの技術を組み合わせることで, 多様な溶液試料における溶質分子の過渡状態の観測が可能になると期待される. 以上より, 当該成果は多様な基礎研究分野を刺激すると期待される. さらに, 励起エネルギー移行過程に対する水和作用の寄与が明らかになれば, 多様な光エレクトロニクスデバイスの創出・性能向上を促すと期待される.
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