研究課題/領域番号 |
20K14483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
Matsuda Frederick 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (40867032)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション / CMB / 光学 / バッフル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光Bモードの観測を通して、インフレーションの決定的証拠となりうる原始重力波を探る。CMB地上実験における大きな問題は望遠鏡の計測器に入る地形反射による迷光汚染である。この迷光は観測感度を制限する大きな系統誤差である。本研究ではCMB地上実験では新たな試みとなるリングバッフル構造を望遠鏡の外部バッフルとして使用し、迷光による系統誤差の抑制効果を調べる。3年計画にてSimons Observatory望遠鏡にリングバッフルを実装し、実測データと光学シミュレーションに基づきリングバッフルの地形反射抑制効果を計測し、CMB地上実験の飛躍的な感度向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)地上実験のBモード探索において、大きな系統誤差となる地形反射による迷光汚染を抑制するリングバッフル技術の開発が目的である。本研究では、光学解析を実施し、リングバッフルを望遠鏡に搭載することにより、地形反射の系統誤差を0.005%まで低減できることを示した。そしてリングバッフルの実用に向けた開発リスクを洗い出した。リングバッフルの実装には至らなかったが、Simons Observatory望遠鏡用に改良したバッフルを完成させた。本開発を通して、リングバッフル開発と共通した構造の安定性やコスト面の開発リスクを低減するバッフルの基礎設計・手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、次世代CMB実験において、地形反射により計測器に侵入するシグナル汚染(迷光)をどのように低減するかは大きな課題である点です。高い統計感度を持つ次世代望遠鏡にとって、地形反射は大きな系統誤差となりうるため、望遠鏡のバッフル構造を改良し系統誤差を抑制することは必須である。 そして、望遠鏡の外部バッフルとしてリングバッフル構造を応用するのはCMB地上実験では新たな試みであるため、本成果はリングバッフルの実用に向けた重要な研究開発である。将来的なリングバッフルの実装により、CMB地上実験の飛躍的な感度向上を目指す。
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