研究課題/領域番号 |
20K14490
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
足立 智 大阪大学, 理学研究科, 招へい研究員 (60838126)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アルファ凝縮状態 / ニューラルネットワーク / ガス標的 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、20Ne原子核におけるアルファ凝縮状態を探索と確実な同定を行い、アルファ凝縮状態の励起エネルギーとアルファ崩壊幅等の情報から、低密度核物質の性質の解明を目的とする。 ニューラルネットワークを用いた粒子識別と高度化ガス標的システムという二つの実験手法と装置を新規に開発し、0度を含む超前方角度でのアルファ非弾性散乱と崩壊粒子の同時測定と、有限角度での非弾性散乱の角度分布の測定により、20Ne原子核のアルファ凝縮状態の候補となる状態を同定し、そのスピンとパリティについて情報も得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
20Ne原子核におけるアルファ凝縮状態の候補を探索するために、ガス標的とシリコン検出器の波形解析を用いた新たな探索実験の波形解析の手法などの条件の検討を行って最適な実験条件を決定した。この実験条件に基づいて実験施設へ20Neのための実験提案を行い高い評価で採択された。また、これまでに得られていた実験データの解析から世界で初めて20Ne原子核におけるアルファ凝縮状態の候補を提案した。 これらの成果は低密度核物質の性質を調べるために理論的にも実験的にも重要な情報となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは8Be原子核と12C原子核にしか原子核におけるアルファ凝縮状態の候補が実験的に示されておらず、原子核の質量数に沿った系統的な研究は困難な状況であった。しかし、本研究で20Ne原子核におけるアルファ凝縮状態の候補となる状態を発見することができたため、アルファ凝縮状態の存在限界と励起エネルギーや崩壊幅等の具体的な実験データを用いることが可能になった。また、新たに採択された20Ne原子核におけるアルファ凝縮状態の同定実験では実験データの統計的有意性を確かにし、さらに励起状態のスピンとパリティを明らかにできる予定である。 これらの結果は特に理論的な原子核構造研究にとって重要な情報となる。
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