研究課題/領域番号 |
20K14491
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
信川 久実子 近畿大学, 理工学部, 講師 (60815687)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 宇宙線 / 天の川銀河 / 超新星残骸 / X線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
銀河宇宙線の起源は高エネルギー宇宙物理の未解決問題の1つである。それは、「熱的粒子の一部が衝撃波により加速され、徐々に高いエネルギーになるプロセス」と理解されている。しかしこれまでは高エネルギー宇宙線(GeV-TeV帯域)しか観測されておらず、低エネルギー宇宙線(keV-MeV帯域)は未観測だった。申請者は「中性鉄からのX線輝線を用いた低エネルギー宇宙線測定」という新しい手法を「すざく」衛星の観測データを用いて実証した。本研究は、NuSTAR、XRISM衛星によるX線観測を用いて低エネルギー宇宙線の空間分布とエネルギースペクトルを初めて明らかにする。これにより、銀河宇宙線の真の起源を解明する。
|
研究成果の概要 |
銀河宇宙線の起源は高エネルギー宇宙物理の未解決問題の1つである。これまでは、加速前の熱的粒子(keV帯域)と加速後の高エネルギー宇宙線(GeV-TeV帯域)しか観測されておらず、中間段階にある低エネルギー宇宙線(keV-MeV帯域)は観測データが乏しい。我々は「中性鉄からのX線輝線を用いた低エネルギー宇宙線測定」を考案し、それを超新星残骸や銀河系の銀河面の観測により実証した。本研究はこの実績に基づき、X線観測だけでなく、電波観測や理論研究も通して、銀河系内における低エネルギー宇宙線の分布やスペクトルを調査した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の手法である中性鉄からのX線輝線を用いた低エネルギー宇宙線の探査は、シンプルな物理過程を基にしている。「すざく」衛星は鉄輝線バンドで低バックグラウンドかつ高い検出感度とエネルギー分解能をもち、広がった中性鉄からのX線輝線に対して世界最高レベルの性能を持つ。そのため、この視点に注目した研究は他にない。本手法をさらに発展させるため、本研究では2023年度打ち上げのX線天文衛星「XRISM」の較正を行い、低エネルギー宇宙線研究だけでなく、国内外の「XRISM」観測に対しても重要な貢献を果たした。
|