研究課題/領域番号 |
20K14505
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等) (2021-2022) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2020) |
研究代表者 |
小財 正義 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任研究員 (60781739)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 銀河宇宙線 / 反陽子 / 反粒子 / 太陽変調 / 惑星間空間 / 宇宙天気 / リチウムドリフト型シリコン検出器 / 自励振動ヒートパイプ / 宇宙線 / 宇宙物理 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽の勢力圏「太陽圏」の研究は、社会インフラにも影響する最も身近な宇宙という点で重要である。地球で観測される宇宙線は太陽圏磁場の影響(太陽変調)を受けているため、太陽圏の貴重な観測プローブとなる。中でも宇宙線反陽子は近年の観測技術の進歩により急速に研究が進んでおり、注目されている。 GAPS (General Anti-Particle Spectrometer)は宇宙線反陽子を超高感度で観測する気球実験である。本研究は装置開発によりGAPS計画を推進し、観測を実現する。反陽子観測データの解析により、太陽変調を研究する。
|
研究成果の概要 |
天体衝撃波などで加速された素粒子・宇宙線は太陽から噴出する太陽風プラズマの影響を強く受け、太陽変調現象と呼ばれる。その謎を解く鍵として近年注目されているのが宇宙線反陽子である。本研究では、反陽子高感度観測へ向けた技術的課題であった大型シリコン検出器の量産法と冷却技術を開発した。さらに反陽子観測が行われる飛翔体実験と、太陽変調研究での高い実績を誇る地上観測との連携も目指し、大気影響の評価などを行った。以上により、反陽子を用いた太陽変調研究の実現への道筋を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オーロラをはじめとする地球磁気圏や超高層大気の変動は太陽風(太陽から常時噴出するプラズマ風)に支配されている。太陽風の電磁的構造の解明は宇宙時代の環境問題として喫緊の課題である。宇宙線の太陽変調は太陽-地球間距離に匹敵する大規模構造の情報が得られる数少ない研究対象である。特に反陽子は宇宙線中で唯一存在が確認されている反原子核成分であり、独自の知見を与えてくれると期待される。本研究は反陽子観測での技術的課題の解決方法を示し、その実現への道筋をつけた。また本研究の成果は、他分野での放射線計測や冷却実験などへの応用も期待される。
|