研究課題/領域番号 |
20K14509
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川面 洋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80725375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 降着円盤 / プラズマ乱流 / 電磁流体力学 / 並列計算 / ブラックホール / 磁気回転乱流 / プラズア乱流 / プラズマ / 乱流 |
研究開始時の研究の概要 |
降着円盤におけるプラズマは,磁気回転不安定性(MRI)によって駆動される乱流状態になっていると考えられている.MRI乱流の微小なスケールにおける特性を明らかにすることは,Event Horizon Telescopeによって得られた降着円盤からの放射分布の物理的解釈をする上で重要である.本研究では電磁流体力学の超高解像度シミュレーションを行い,MRI乱流の微小スケール特性を明らかにする.特に,降着円盤におけるイオンと電子の温度比を決定するために必要なファクターである「圧縮的な揺動と非圧縮的な揺動の比」を求めることを目標とする.
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研究成果の概要 |
本研究では、降着円盤の局所乱流を高精度で解くための擬スペクトル法コードを作成し、富岳を用いて史上最高解像度の磁気回転乱流シミュレーションを行うことに成功した。その結果、これまでの磁気回転乱流では磁場エネルギーが運動エネルギーを上回ることが知られていたが、微小スケールでは磁場エネルギーと運動エネルギーが当配分され、スペクトルが波数の-3/2乗に従う「Alfven乱流状態」になることを明らかにした。また、遅い磁気音波の持つエネルギーがAlfven波のエネルギーの二倍になることもわかった。これらの結果は、我々が以前、簡約化電磁流体モデルによって導いた予測とピタリ一致している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
降着円盤における乱流の特性は30年以上の未解決問題であった。本研究は、富岳を用いた超高解像度シミュレーションによってその答えを世界で初めて導いたという点において学術的な意味が大きい。また、その結果が簡約化磁気流体モデルの予測と一致するため、今後は降着円盤の微小スケールに関する研究は、高解像度シミュレーションを使わなくても、簡約化電磁流体で僅かな数値資源のシミュレーションで十分であるということを意味しており、数値計算に必要な環境負荷の低減につながるだろう。
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