研究課題/領域番号 |
20K14512
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤澤 幸太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (30732408)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 低温度星 / 回転星 / 回転進化 / 磁場 / M型星 / ハビタブルプラネット / 回転 / 自転進化 / 系外惑星 / 地球外生命体 / ウインド |
研究開始時の研究の概要 |
観測・データ解析の進展により、今や3000を超える系外惑星が見つかった。中でも、生物が生存するのに適ししているかもしない領域、ハビタブルゾーンの内側に位置している惑星、ハビタブルプラネットも見つかってきている。中には太陽のような恒星の周囲のみならず、太陽よりも質量がもっと小さく温度の低い恒星、低温度星の周囲にもハビタブルプラネットが見つかってきた。そこで太陽型星とは異なる低温度星の物理状況、特にその自転進化に着目することで、太陽のアナロジーで語られることの多かった従来のとは異なる、低温度星の周囲のハビタブルプラネットの理論を構築してくことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、質量が小さく温度が低い低温度星の周囲に存在しているハビタブルプラネットが、主星である低温度星からのフレアやアウトフローなどの活動性によって、どのようにそのハビタビリティが乱されているかを評価することを最終的な目標としている。そのためにまずは、主星である低温度星の自転進化に特に着目し、理論的な側面と観測的な側面の両面から研究に取り組んだ。 理論的な側面としては、回転星の構造計算や回転している天体からのアウトフローなどに取り組んだ。回転している星の内部構造を考慮した進化計算を行うためには、星の進化計算でよく用いられている1次元ラグランジュ座標を、回転を取り込んだ多次元に拡張した定式化が重要となる。そこで、多次元ラグランジュ座標での回転星の定式化と計算手法を開発し、回転してる星の多次元モデルを構築することに成功した。今後はこの多次元モデルを用いて、内部構造を考慮した回転進化計算を行っていく予定である。一方で、回転している星からのアウトフローなどの活動性の回転の影響に関しても解析を行った。特に回転している星からの自己相似的なアウトフローの定式化を行い、回転が早い時にこれまでは知られていなかった新しいアウトフローの解を見つけた。 他方で観測的な側面として、光度曲線やフレアに関する研究にも取り組んだ。表面温度が不均一な星が回転している時、光度曲線にはその表面温度分布に依存する特徴が現れる。そこで、そのような光度曲線に関する解析的で系統的な研究に取り組み、その依存性を明らかにした。さらには、回転している低温度星のデータ解析にも取り組み、低温度星の回転とフレアに関する議論なども行った。これらの研究成果に関しては、査読付きの国際雑誌としてすでに出版済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、これまで取り組んできた定式化や計算、データ解析などがうまく結果を出して、多くの査読付き論文として出版することができた。そのため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、これまで多次元回転進化の定式化と計算手法の開発を中心に行なってきて、順調に成果が上がってきている。さらには、観測的な側面に関しても、回転星の様々な側面に関して研究を進めることができてきた。今後も、理論的な計算と観測の解析の両面からさらに研究を進展させていく予定である。
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