研究課題/領域番号 |
20K14538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
平田 直之 神戸大学, 理学研究科, 助教 (00791550)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 惑星 / 小惑星 / リュウグウ / 惑星科学 / はやぶさ2 / 小惑星リュウグウ |
研究開始時の研究の概要 |
小惑星探査機はやぶさ2の画像データを解析し、リュウグウの自転状態および自転変化によって生じる表面現象について明らかにする。小惑星は赤外線放射によって自転が暴走加速することがしられており、リュウグウの過去の自転周期が今よりもずっと速かったらしい。リュウグウはそのような高速自転小惑星を詳細に解析ができる初めての例である。現在の自転状態を解析し、さらにそのような高速自転がリュウグウの形状や表層進化にどのような影響を与えるのかを画像データの解析によって明らかにすることで、小惑星の軌道進化やそれによる太陽系初期の微惑星の集合や合体による惑星形成、地球への衝突過程などへの知見に発展させる。
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研究成果の概要 |
小惑星探査機はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウは自転がかつて早かったと考えられている。この早い自転によって天体の形がそろばんの珠状になったと考えられている。このような高速自転小惑星は太陽系では珍しくない。リュウグウは人類にとってこの種の小惑星をつぶさに観察できる初めての例である。本研究の結果、高速自転小惑星の表面で生じた衝突によって弾き飛ばされたエジェクタ(放出物)は自転の効果を強く受けること、リュウグウの赤道付近でのエジェクタの集積をはじめとする様々な現象が起きることが明らかになった。また、実態の明らかでない他の高速自転小惑星についても、その表層進化について様々な知見が波及効果としてあった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小惑星は太陽系初期の微惑星の集合・合体等による惑星形成段階において、集積せずに生き残った天体グループだと考えられている。日本の探査機はやぶさ2が訪れた小惑星リュウグウの進化を包括的に解き明かすことは太陽系初期進化の理解へ資するものである。特にリュウグウの重要な特徴の一つがかつて高速自転小惑星であったという点である。リュウグウのような高速自転小惑星は太陽系ではありふれたものだが、探査機が訪れたことはこれまでなく、高速自転小惑星を観察する格好の機会である。研究の結果、リュウグウで天体衝突が起きると非対称な形態のクレーターができたり、エジェクタが赤道付近に集積したりすることがわかった。
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