研究課題/領域番号 |
20K14567
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
荒岡 大輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (60738318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 安定同位体比 / 前処理 / 鉱石 / ホウ酸塩溶融 / イオンクロマトグラフ / アルカリ金属 / アルカリ土類金属 / 標準物質 / 金属元素 |
研究開始時の研究の概要 |
鉱石中の酸素や水素の安定同位体比は、自動の前処理装置や簡便な測定手法が確立しているため、鉱化流体の起源や温度を解析するツールとして鉱床学では一般的な手法となっている。一方、金属元素の安定同位体比は、煩雑な前処理作業がネックとなり利用・普及が進んでいない。そこで本研究では、ホウ酸塩溶融とイオンクロマトグラフィーを用いた鉱石試料からの迅速・簡便な多元素同時前処理手法を開発する。本手法の確立により、汎用的な手法で大量の多元素同位体比データの取得が可能となるため、鉱床学分野だけでなく地質に関する様々な分野で、金属元素安定同位体比ツールの開発・普及が見込まれる。
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研究成果の概要 |
鉱石中の酸素や水素の安定同位体比は、鉱化流体の起源や温度を解析するツールとして鉱床学では一般的な手法である。一方、金属元素の安定同位体比は、元素の起源や鉱床の成因を明らかにする上で有用なことが明らかになってきているが、鉱石中の難溶性鉱物の分解や目的元素の分離など煩雑な前処理作業がネックとなり、利用・普及が進んでいない。そこで本研究により、ホウ酸塩溶融とイオンクロマトグラフィーを用いた鉱石試料からの迅速・簡便な多元素同時前処理手法の開発を試みた。その結果、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素の簡便な同位体比分析が可能となり、鉱床学分野だけでなく地球科学に関する様々な分野での応用展開を推進できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉱石試料の金属元素同位体比分析の前処理部分さえ改善されれば、酸素同位体比のように利用・普及が進み、新しい鉱物資源に関する研究・探査手法の創出に繋がる可能性が高い。初心者でも利用できるような迅速・簡便かつ多元素を同時に分離できる前処理手法を開発・確立することで、隕石や化石などの貴重な試料でも無駄なく複数の目的元素を同時に分離・回収できるため、今後はマルチ同位体比指標による詳細な解析が可能となる可能性がある。近年は大量データや多元素の安定同位体比による高解像度・多次元解析が行われるようになってきているため、本手法の迅速性・多元素同時性により、安定同位体比の様々な研究分野への波及も期待される。
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