研究課題/領域番号 |
20K14590
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
滝沢 侑子 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (90822536)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 安定同位体 / 脂質 / エネルギー収支 / 分子内 / 炭素 / 脂肪酸 / 分解 / GC-IRMS / 安定同位体比 / 熱分解 |
研究開始時の研究の概要 |
生物にとって脂質は,エネルギー源や基質(炭素源)としての役割を持つ重要な有機化合物である。自然界に生息する多くの生物は,独立栄養生物または自らが生産した有機化合物を,エネルギーを獲得するために分解することで生命活動の恒常性を維持している。その中で,環境変化に対する生物の応答や,それを取り巻く生態系,生物圏における物質循環を理解するためには,有機化合物が生体内,あるいは環境中で果たす機能や動態(すなわち,脂質のような有機化合物が,いつ・どのような環境で生産され,そしてその後,何のために・どのくらい分解され,利用されていくのか)を体系的に理解する必要があり,本研究はその理解に貢献できるものである。
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研究成果の概要 |
本研究では,生体内または環境中に存在する「脂質」が,どのように生産され,その後どの程度分解されたか?を,評価する新規手法:脂肪酸分子内(カルボニル基)安定炭素同位体比解析法の実用化を達成することを目的に(i)申請者がこれまでに開発した測定機器の測定条件の最適化および (ii)その測定法で得られた同位体比から,実際に脂質が分解された量を評価する方法論の構築に必須である「同位体分別係数」を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,生物が持つ,生体内でのエネルギー収支や恒常性を維持する機構の理解を助けるのみならず,環境変化に対する生物の応答(生存戦略,環境変化への適応や進化),ひいては,生物圏における物質の移動・エネルギー循環の,定量的な理解に貢献する。例えば,寒冷環境や季節変化に対抗する手段として脂質を保持する生物が「実際に利用した脂質の種類や量」を定量的に評価することが可能になる。また,生体内での反応のみならず,堆積物や水柱に残存するバイオマーカー(炭素数16,18などの飽和・不飽和脂肪酸)から,生物が「脂質を生産した当時の環境情報」にアクセスできるようになると期待される。
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