研究課題/領域番号 |
20K14601
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 山形大学 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
甕 聡子 山形大学, 理学部, 助教 (70795228)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 造礁性サンゴ / カルシウム炭酸塩 / 硬組織 / 軟組織 / 造礁サンゴ / 組織観察 / 褐虫藻 / 石灰化場 |
研究開始時の研究の概要 |
造礁性サンゴの炭酸塩カルシウム(CaCO3)骨格中に含まれる微量元素量や安定同位体比は骨格形成時の環境によって変化する。そのため古環境復元のためのプロキシーとして用いられている。しかし、プロキシーの評価として重要なサンゴの石灰化機構はわかっていない。そこで、本研究では石灰化過程の解明を目指し、これまで技術的に困難とされてきた骨格形成場である石灰化母液の直接観察手法確立を行う。さらにCa安定同位体を用いてCaの生体内の挙動を追うことで、生体の関与と石灰化過程の紐づけを行う。
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研究成果の概要 |
これまで技術的に難しかった造礁性サンゴが形成する骨格の形成場の観察を試みた。サンゴを海水ごと急速に凍結し、骨格形成場があるサンゴ生体部と骨格間が観察できるように削り出した。その断面を凍らせたまま走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、骨格と生体内部構造を観察できた。実際の観察結果は生体内部構造の複雑さを示し、一般的に示される模式図と相違がみられた。もう一つの方法として、常温で生体部を徐々に樹脂で置換し硬化させ、薄片を製作した。光学顕微鏡で生体と骨格の断面を同時に観察することができた。今後、樹脂硬化法をさらに発展させることで、凍結法で得られた観察結果の解釈が可能になると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで骨格のみの化学的・鉱物学的観察、生体の観察や遺伝子の分析などの生物学的な研究と各々で行われてきたサンゴ骨格形成過程の議論が行われてきた。それは造礁性サンゴの生体と骨格を同時に観察する手法がなかったことが一つの要因であり、同時観察手法の模索は、両分野で総合的に骨格形成過程を検討する場の提供につながる。海洋環境の変動に造礁サンゴの骨格形成がどのように変化するかを検討する際に、多視点からの検討が可能になる。
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