研究課題/領域番号 |
20K14641
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
石川 功 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (70845164)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 凝着力 / 時間依存性 / 引き離し速度 / 総接触時間 / 粘弾性特性 / JKR理論 / 表面力測定装置のシミュレーション / 表面力 / 粘弾性 / 引き離し速度依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高性能なデバイスの小型化が加速しており,凝着力などの表面力の影響が無視できなくなった.その結果,表面力の発生メカニズムと基本特性の解明が課題となっている.しかし,現実の任意の固体表面間に対して凝着力を正確に予測する接触理論は十分には確立されていない.そこで本研究は,2物体間の引き離し速度が凝着力に与える影響を調べる.具体的には,超高精度表面力測定装置を用いて球・平面間の凝着力を測定し, 固体材料の粘弾性が凝着力に与える影響を明らかにする.本研究は表面力の基礎研究のみにとどまらず,摩擦摩耗の研究や, 機械部品の材料の選定および設計などにも応用できる研究である.
|
研究成果の概要 |
本研究はこれまで明らかにされていなかった凝着力の時間依存性について調べた研究である.時間依存性を調べるために,接触待機時間と引き離し速度を実験パラメータとして2面の材料間に働く凝着力を測定した.その結果,引き離し速度・接触待機時間が増加するにつれて凝着力が増加することが分かった.また,2面間の材料の組み合わせを変化させることにより,凝着力の時間依存性は材料の粘弾性に大きく左右されることが分かった.また,表面力測定装置のシミュレーションを行った結果,実験結果と良い一致を示す計算結果が得られた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では引き離し速度と接触時間が凝着力に大きな影響を与えることを明らかにした.また,表面力測定装置のシミュレーションを行うことにより,引き離し速度と接触時間が凝着力に与える影響を定量化した.これらの結果は表面力が支配的となるマイクロデバイスの設計や性能向上に役立つ.また,本研究は2面間の垂直方向に働く表面力を主眼に置いた研究であるが,せん断方向に働く摩擦力も表面力と切り離せない関係にある.つまり,今後の摩擦・摩耗の分野に波及効果があり,更なる低摩擦・高耐久性を持った材料の組み合わせの選定にも役立つ可能性がある.
|