研究課題/領域番号 |
20K14667
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
喜多 由拓 九州大学, 工学研究院, 助教 (40840616)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 液滴 / マランゴニ対流 / 流れ可視化 / 蒸発 / 赤外線サーモグラフィ / 接触角 / マイクロ流体 / PIV |
研究開始時の研究の概要 |
医療分析や創薬研究への応用が期待される次世代マイクロ流体技術として,液滴を用いたデジタル流体デバイスが注目されている.ここで試料の混合・反応・検出を行うマイクロリアクタとしての役割を担う液滴の内部攪拌・温度制御技術の確立に向けて,本研究では,局所加熱された液滴の熱流動現象の理解を目指す.感温粒子画像流速測定により,温度場・速度場情報を同時取得することで,与えられた加熱量・温度が液滴内部対流の流速や温度上昇に及ぼす影響を明らかにする.また,液滴形状(接触角や体積)が熱対流の安定性に及ぼす影響を調査する.
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研究成果の概要 |
Lab-on-a-chipにおける液滴のマイクロリアクタ機能創出のため、局所加熱による液滴の熱流動現象の制御に関する研究を行った。レーザーやマイクロヒーターによって液滴を局所的に加熱することで、液滴表面に人工的な温度勾配を形成させ、その勾配に沿って表面張力によって対流を発生させる。本研究では、対流の発生条件や強度に及ぼす影響パラメータを調査した。特に、液滴の接触角は液滴の流動安定性に大きく影響を及ぼすことを明らかにした。また、実際のシステムでよく見られる液滴「群」の蒸発に関する研究も実施した。背面指向シュリーレン法を用いて液滴周囲の濃度拡散場を可視化し、液滴間相互作用の影響を定量的に調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は液滴の新規機能創出を目指した基礎現象の解明を目指すものである。液滴は一見単純な系に思われるが、実際は蒸発現象、濡れ現象、伝熱および流動現象など数々の現象が複合的に起こる複雑な系である。これまでにもスプレー冷却やインクジェット印刷、コーティング技術において液滴は基礎的な要素として用いられてきたが、これらは基本的に前述の諸現象の自発的な結果を応用したものである。一方で、本研究ではこれらの現象を能動的に制御しようとするものであり、得られた知見は学術的に価値が高く、液滴を利用した新技術の創出に大きく貢献するものである。
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