研究課題/領域番号 |
20K14670
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
河野 貴裕 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (30801790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 光物性 / 光線治療 / 紫外線療法 / 皮膚 / アトピー性皮膚炎 / 紫外線 / ふく射伝播 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎に対する紫外線療法は,有効な場合の高い治療効果が注目され研究が進められている.紫外線療法は皮膚への光の浸透深さが重要だと考えられているが,従来の研究では臨床研究による症状観察が中心で,皮膚での光の浸透深さの詳細な分析が行えていない.本研究では,紫外線の浸透深さを明確化することを目的とする.特に,皮膚の構造(厚さ)と光物性には個人差があり,その影響が光の浸透深さにどのような違いを生み出すかついては,計測の困難さから明確化できていない.ここでは,(1) 層構造を有する皮膚の光物性計測,(2) 皮膚の構造(厚さ)の計測,(3) 計測結果を用いた紫外線の浸透深さの解析,を行う.
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研究成果の概要 |
アトピー性皮膚炎に対する治療の一つとして,近年,紫外線療法が注目されており,臨床研究を中心に盛んに研究が進められている.しかし,その治療時に紫外線が,実際の皮膚の中でどのように浸透していたかを明確化することができていない.これは,複雑な構造を持つ皮膚の光物性の計測を実現できる技術が存在しないためである. 本研究では,層構造を有する皮膚の各層の光物性の計測と皮膚の層構造の厚さの計測を行うことのできる技術を開発し人の皮膚の計測を実施した.本研究によって,これまで計測が実現できなかった皮膚の層構造の光物性を計測可能になったことが実験的検証から証明された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で紫外線の浸透深さを明確化する手法が確立できれば,紫外線療法を行う前に患者個人の真皮にある病変に十分な紫外線を届かせることができ,有効な治療となるかを予測可能になることが期待できる.治療期間は3ヶ月程度 (週1~3回)かかり,成果がでない場合の負担が大きいため,患者個人に有効な治療となるかを事前に判断可能にすることには大きな意義がある.また,同様の紫外線療法は白斑や乾癬などの疾患でも試みられており,今後の発展が望まれている.本研究で紫外線の浸透深さを予測するモデルを構築することができれば,それらの疾患に対する研究にも応用可能となり,大きな波及効果を生む.
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