研究課題/領域番号 |
20K14698
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古居 彬 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30868237)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋電位信号 / 生体信号 / 機械学習 / 確率モデル / 筋疲労 / 逐次学習 / 筋電義手 / 生体信号解析 / パターン認識 / ベイズ学習 / 筋疲労評価 / 動作識別 |
研究開始時の研究の概要 |
上肢切断患者の機能を補う手段として,筋電位信号を利用して制御可能な筋電義手が注目されている.筋電義手は操作者の動作を機械学習的に識別することで多動作の実現が可能だが,長時間の使用に伴う筋疲労の影響で動作識別精度が低下する問題が存在した. 本研究では,筋電位信号の確率的生成モデルに基づき,筋疲労に伴う生理的プロセスの変化を潜在空間上の分布遷移としてモデル化し,筋疲労の非侵襲評価法を構築する.そして,この方法論を内包した適応的動作識別法を提案するとともに,提案法を筋電義手システムへと導入することで筋疲労に対してロバストな制御を実現する.
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研究成果の概要 |
本研究では,尺度混合表現に基づく確率モデルを用いて,筋疲労中の筋電位信号(筋収縮に伴って発生する電気信号)の潜在状態を推論するための方法論を構築した.副次的に,本手法は脳波など筋電位信号以外の生体信号にも適用可能であることを示した.また,このモデルを拡張し,筋活動中の不確実性を考慮可能な筋電位パターン分類法や,逐次学習に基づく適応的動作認識法を提案した.さらに,提案したパターン分類器を筋電義手システムに導入し,生体模倣動作を実現可能な筋電義手の開発に取り組んだ.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は,筋電位信号の時系列データに含まれる潜在的特徴を推定可能な,新たな確率モデリングの枠組みを提案している点である.これに加え,モデルをパターン分類法へと展開し,筋疲労に対して頑健な動作認識に応用したことも,本研究の貢献として挙げられる. 筋電位信号などの生体信号から,ヒトの動作意図や異常の兆候といった内在的な情報を推定することができれば,より直感的かつ自然に操作可能なヒューマンマシンインタフェースに繋げることができる.本研究は,そのような技術を実現する上で考慮しなければならない「筋疲労」という現象の対処に焦点を当てたものであり,この点に本研究成果の社会的意義がある.
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