研究課題/領域番号 |
20K14879
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
鈴木 賢人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80757055)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 木質構造 / CLT / 床構面 / 有開口 / 性能評価 / 剛床仮定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「有開口CLT床構面の面内性能を明らかにし、面内性能の簡易評価法と剛床とみなせる床構面の仕様を明示すること」である。近年、CLT関連の研究は多い。しかし、CLT床構面を対象とした研究は少なく、“有開口”CLT床構面に関する知見は少ない。また、CLTに限らず、床構面を木質化する場合は、剛床仮定成立の可否が構造的に大きな課題となる。そこで、本研究では、有開口CLT床構面を対象に、①面内加力実験、②接合部実験、③力学モデルの構築とそれを用いたパラメトリックスタディ、によって有開口CLT床構面の面内性能を明らかにし、その知見から、④剛床とみなせる床構面仕様の提案を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、有開口CLT床構面の面内加力実験と床構面に用いられている接合部を対象とした接合部実験を行い、床構面全体の面内性能と局所的な性能を明らかにした。次に、有開口CLT床構面の面内加力実験結果と既往の有開口床構面の性能評価法を比較することで、CLT床構面に対する適用性を調べた。その結果、有開口CLT床構面の面内性能を開口規模や位置と関連付けることは難しく、接合部の性能や位置から構面の性能を評価すべきことが確認された。これらの知見を集約し、有開口CLT床構面の面内性能評価手法を構造力学に基づく理論モデルとして提案するとともに、剛床仮定成立条件を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、中大規模建物での木材利用を実現・促進するための法整備や研究・技術開発が盛んに行われている。なかでもCLT関連の研究は多いが、CLT床構面の研究は少なく、有開口CLT床構面に関する研究は存在しなかった。建物において、耐力壁を十分に効かせるためには、床構面の面内性能の確保が重要であるが、開口を設けると面内性能は影響を受ける。しかし、CLT床構面においてはその程度が不明であった。そのため、有開口CLT床構面の面内性能を明らかにしたことと、有開口CLT床構面に十分な面内剛性・耐力を床に持たせるための条件(剛床仮定成立条件)を明らかにしたことは、耐震設計の高度化に資する成果である。
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