研究課題/領域番号 |
20K14932
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
渕上 貴由樹 佐賀大学, 理工学部, 助教 (00530172)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 住宅近代化 / 2階建て / 二階座敷 / 客間 / 階段 / 応接間 / 寝室 / 住宅書 / 2階建て住宅 / 夫婦寝室 / 住宅外観 / 2階座敷 / 洋館付き住宅 / 和様折衷 / 2階建て |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦前期日本の都市住宅において広く普及した2階建て住宅外観の変遷過程を検討する。大正~昭和初期に流行した洋館付き住宅が、一種の社会的地位表現として捉えられるように、住宅外観は居住志向や社会的地位を映し出す指標となりえる。本研究は、近世の2階建てから明治以降も継続して設けられていた二階座敷をそうした社会的地位表現の一要素として捉え、それが夫婦寝室や子供部屋といった家族個室空間に取って代わる近代的空間変容の様子を室構成と住宅外観の変化から分析する。
|
研究成果の概要 |
本研究は戦前期に刊行された住宅書に掲載された平面図および言説を用いて2階建て独立住宅における2階座敷から家族個室への空間変容の様子を明らかにした。平面図からは大正9年に2階用途を家族用寝室に供する明確な変化を確認し、大正中期~昭和初頭に展開した生活改善運動による影響がその背景として考えられた。しかし階段の配置方法が2階用途に基づいて理論的な形成を成したのは昭和6年と一定期間を要した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統的住宅が接地型の平屋住宅であったのに対し、明治以降に徐々に普及し始める2階建て独立住宅の成立過程の様子の一端について整理を行っている。今日では当たり前の姿ともみなされる2階建て独立住宅の誕生の過程についてはこれまで具体的に明らかにされてこなかった。住宅平面を階層的に捉え、かつ各階を統合して居住空間を考案するという思考がどのようにして発達したのか、こうした事象を歴史的変化の枠組みで捉えるための重要な知見になると考えられる。
|