研究課題/領域番号 |
20K14982
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
尾崎 順一 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (40846739)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会・経済物理学 / 複雑ネットワーク / 企業間取引ネットワーク / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
現代において経済の本質的な部分を担っている企業間取引ネットワークについて、企業倒産前後の周りの企業の取引の代替のダイナミクスに着目することでより精密なモデリングを行う。そして、その効果を取り入れたモデルを既存のネットワーク時間発展モデルと結合させ、様々なショック下における企業間取引ネットワークの大規模シミュレーションを行う。その結果を元に、ネットワークにおける脆弱性などのリスク評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、企業間取引ネットワークにおける企業倒産のダイナミクスに注目し、分析およびモデル化を行った。株式会社帝国データバンクのCCRデータを用いて分析を進めた結果、企業倒産のみではなく、部分的な倒産も考慮しなければ主要な統計則を再現できないことが明らかになった。部分的な倒産とは、例えば民事再生法の適用時などに企業規模が急激に縮小する現象を指す。この現象は主要な統計則に現れる程度には重要であり、急遽その解析とモデル化が求められた。これらの結果を踏まえ、企業倒産に加えて部分的な倒産も取り入れた企業間取引ネットワークの時間発展モデルを提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において提案された新しいネットワーク時間発展モデルは、企業売上推定のアルゴリズムと並列することによって日本の企業間取引ネットワークの主要な統計則(次数分布、売上成長率分布など計7つ)を完全に再現した。先行研究においては企業ネットワークの一部の性質のみを説明し、また別のモデルではテント型の成長率分布(ラプラス分布)を説明するのみといったアドホックな、部分的な説明に留まっていた。本研究はこれらの重要な問題を同時に解決し、複雑ネットワークと企業の統計則を橋渡しする統一的な見方を与えるものであると考えている。
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