研究課題/領域番号 |
20K15022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐々木 拓也 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70815787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高圧合成 / 窒化物 / 蛍光体 / 高圧相 / 高圧力合成 |
研究開始時の研究の概要 |
窒化物を母体材料とした窒化物系蛍光体は高輝度かつ温度消光の少ない優れた蛍光体として白色LEDなどに利用されている.この窒化物系蛍光体は通常,1気圧の窒素雰囲気もしくは加圧窒素雰囲気下での固相反応によって合成される.本研究では,これまでに窒化物系蛍光体を合成していた圧力よりも高い窒素分圧環境を数万気圧(数ギガパスカル)の圧力印加が可能な超高圧合成法によって発生させて窒化物の合成を行う.さらに,超高圧合成法の利点を活かし,大気圧下では合成されない特異な構造を持つ新奇窒化物の合成とそれを母体材料とした新規窒化物系蛍光体の創製を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究ではギガパスカル(数万気圧)領域の超高圧力下において新規窒化物系蛍光体の合成を行い,Ca3N2-Si3N4系のCa5Si2N6組成において窒化物ガラス相を母体材料とする新規Eu賦活蛍光体を高温高圧合成することに成功した.ガラス蛍光体Ca5Si2N6:Eu2+は近紫外線励起によってブロードな黄色発光を示し,結晶相Ca5Si2N6:Eu2+とは異なる発光特性であった.酸化物ガラス相を母体材料とした蛍光体は多数報告されているが,窒化物ガラス相を母体材料とした蛍光体は本研究によって初めて見いだされた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して,窒化物系蛍光体を高圧合成するための合成指針を構築するに至り,今後の高圧下での物質合成に大いに寄与するといえる.また,報告例の僅少な窒化物アモルファス相の合成に成功し,Ca3N2-Si3N4系においては初めて報告例である.また,窒化物アモルファス相(ガラス)が酸化物ガラス蛍光体と同様に蛍光体の母体材料となりうることを見出し,蛍光体母体材料の候補領域として今後より一層発展すると期待される.
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