研究課題/領域番号 |
20K15031
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
廣井 慧 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 研究プロジェクト推進室, 任期制専任研究員 (10761588)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 結晶PDF解析 / X線全散乱測定 / 結晶・非晶混合物 / 結晶・非晶PDF分離解析 / 原子対相関関数 / 蓄電材料 / X線全散乱 / PDF測定 / 結晶・非晶分離解析 / リチウムイオン電池 / 非晶・結晶混合物 / 実空間リートベルト法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大型放射光施設が供給する高輝度X線を利用したX線全散乱法による測定と、測定データの高度解析技術の確立を行う。主な測定対象は、例えばリチウムイオン電池の構成材料で見られる結晶・非晶混合物である。このような混合物の構造解析技術は確立されていないため、結晶・非晶相の体積分率や各成分の原子配列を明らかにすることができれば、これまで十分に検討されてこなかった材料特性の評価・予測が可能になると期待される。申請者は、複数の結晶相を含む試料のX線全散乱を使用した構造解析技術を既に開発しており、この技術を応用することで非晶相の構造解析技術の開発を進める。
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研究成果の概要 |
X線全散乱法を利用した構造解析方法の開発を推進することにより、既存技術では定量的な解析が困難であった結晶・非晶混合物に対する構造解析技術を確立することに成功した。この構造解析技術をリチウムイオン電池の正極材料に適用したところ、高い定量性で結晶構造を決定でき、高充放電容量を実現する構造的メカニズムを初めて明らかにすることができた。また、固体電解質に利用することで、イオン結晶の寄与に隠れた非晶相の構造情報を抽出し、硫化物系固体電解質へアニオンが固溶する直接的証拠を提示することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で開発した構造解析技術は、既存の解析技術において未踏の領域であった結晶・非晶混合物を対象とできるものである。具体的には、リチウムイオン電池の構成部材に見られるような原子配列に乱れが含まれる結晶材料や非晶中に微結晶が形成する材料、さらには実デバイス等の複合材料も構造解析の対象となる。この技術を利用することによって、デバイスの動作中に起こる構造変化を直接観測し構造解析を行うことができるようになるため、デバイス劣化のメカニズムや性能向上に関わる知見を得ることが容易となる。これらの知見をさらに優れた機能性材料やデバイス開発に活かすことで、より豊かな社会の構築に貢献することが期待される。
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