研究課題/領域番号 |
20K15060
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西村 直之 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 教授(特定雇用) (10644940)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | DLC / 抗菌性 / フッ素 / 骨誘導能 / 固定性 / 体内埋入型医療機器 / 日本兎 / 平滑性 / ダイヤモンドライクカーボン / 金属イオン担持 / 感染症 / 抗菌 / 表面処理 / 有効性 / 脊椎ケージ / 金属材料 / イオン / 溶出 |
研究開始時の研究の概要 |
人工関節置換術術後に感染症に罹患する患者は少なからず存在し、再手術は命に関わる。感染症は早期と遅発性に分かれ、遅発性は血行性感染によるとされているが詳細は分かっていない。我々は原因の1つに体内に挿入される金属材料に注目し、体内へ金属イオンが継続的な溶出を行い免疫低下により発症するのではないかと考えている。この解決策として2点に関して検討を行い、課題を解決する。 1)生体親和性の高い炭素材料の1つであるDLC(Diamond-Like-Carbon)の金属材料表面コーティングによる溶出の遮断及び生体安全性に関する研究 2)DLC膜にフッ素をベースとした抗菌性の付与による感染症発症防止とその機構の研究
|
研究成果の概要 |
近年人工関節、脊椎ゲージなどの進展により適用数が増加している。一方で手術初期から晩期にわたって感染症も増加している。感染防止と言う観点から抗菌性処理の1つとして DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に着目し、DLCコーティングの平滑性に基づく菌付着の防止、F(フッ素)添加による糖代謝抑制による増殖の阻害を目的として研究を行った。 これまでにPBII法によりDLC膜を製膜し、日本兎の大腿骨遠位に所定の試験片を埋入し、骨組織と試験片周辺の組織観察した。従来の材料と比較して骨誘導能の向上がみられた。さらにFを導入することにより抗菌性に関してさらに向上することがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在適用が増加している体内埋入機器の感染に対する対処方法の1つとして、1)DLCコート(表面の平滑化)や2)Fの添加による抗菌性の向上が確認できた。併せて骨誘導能においても問題がないことを確認した。 このことは将来的にDLCコートだけではなく、同様の表面処理コンセプト、仕様を持つ体内埋入機器を開発することにより、患者に適用される機器に起因する感染症の防止に役立つことになると考えている。
|