研究課題/領域番号 |
20K15073
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小松 博幸 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30738076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | セミクラスレートハイドレート / ガス吸収 / ガス分離 / 熱力学的相平衡 / 固体形成 / スラリー流動 / ハイドレートスラリー / 連続ガス分離 / 物質移動現象 / 固形分率 / 流動様相 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオガスからCO2を回収するガス分離プロセスには,地域環境に柔軟に対応可能かつ小規模であることが求められる。そこで,室温付近でCO2の吸収・放出が可能なセミクラスレートハイドレート(SCH)が分離媒体として期待されるが,凝集性を有し,高圧条件での操作であることから,多くの検討事例が回分式である。本研究ではSCHをスラリー化し,再生プロセスまでを流通式とした連続ガス分離システムを検討する。その際,SCH粒子内の非平衡ガス濃縮現象を解明し,その現象を効果的に発現させるSCHの形成および分解操作により,従来以上の高回収率かつ高速分離の達成を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではセミクラスレートハイドレート(SCH)スラリーへのガス吸収機構の解明と,再生プロセスを含めた3塔式連続ガス分離システムにおいて凝集性スラリーを管内閉塞することなく流動させるシステムの構築を目的とした。 CO2は一時的に温度を低下させたり,吸収時に形成されるSCH量を増大させたりすることで,スラリー全体が凝集したとしても吸収量が理論値に近づいたことから,SCH形成時に主に吸収されることを明らかにした。一方,N2はSCH形成後も継続して吸収され,理論値相当の吸収量になった。SCHスラリーは連続的に流動させ,短時間で回収することで高固形分率でも凝集しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はセミクラスレートハイドレート(SCH)スラリーを用いた非平衡条件下におけるガス分離現象を解明するために,in-situ固形分率測定法を開発し,SCH形成時のガス吸収機構を明らかにした。加えて,凝集性スラリーの適切な運用方法の指針を明らかにしたことで,理論的なガス選択度以上の効率でCO2を分離回収する可能性を見出した。 今後はCO2の分離回収の実証研究を行い,安価かつ小規模なガス分離プロセスに適用した際の有益性を示すことで,バイオガスを利用したネガティブエミッション技術開発の促進に貢献できる。
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