研究課題/領域番号 |
20K15102
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
福重 香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30805023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナノ気泡 / ウルトラファインバブル / ガスデリバリー / 細胞大量培養 / 酸素 / iPS細胞 / HUVEC |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト細胞による再生医療の普及は目前まで来ているが、その実現には大量の細胞を安全かつ安価に培養する技術の確立が必要である。本研究では、その障壁となっている培養液中への安定的な酸素の保持と細胞への効率的な酸素供給を可能とすることを目指し、直径約100 nmの微細気泡である酸素ナノ気泡に着目した。ナノ気泡は、気体を水中に安全かつ安定に保持でき、細胞内への高い到達性も持つ。我々は、高濃度の酸素ナノ気泡を含有する細胞培養液を安全・安価に作製することに成功し、培養細胞の増殖に有効であることを見出している。本研究課題では、酸素ナノ気泡含有培養液の有効性を検討し、効率的なヒト細胞大量培養法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
再生医療の実現に向けた効率的なヒト細胞大量培養法の確立を目指し、酸素ナノ気泡(O2-UFB(ウルトラファインバブル))を含有させた細胞培養液の有効性を評価した。平均粒子径約150 nmのO2-UFB含有培養液を作製できた。ヒトiPS細胞の培養において、通常培養液と比較して約20%細胞数が増加した。品質および安全性の視点から未分化維持評価を行い、影響がないことが確認できた。また、ヒト正常細胞であるヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)でも、約25%の細胞数増加がみられた。本研究によりO2-UFBが、ヒト細胞の培養に有効であることが示唆された。現在、灌流培養を主軸とした大量培養系への応用を試みている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術の発展は目覚ましく、ヒト細胞による再生医療の普及は目前まできている。多くの患者に広く提供するには、莫大な量の細胞を高品質かつ低コストで培養する技術の確立が必須となる。様々な培養法の開発が進んでいるが、培養液中への必要十分量の酸素供給が大きな障壁となっている。本研究では、ヒト細胞の培養における酸素供給法として、酸素ナノ気泡の応用を試みた。酸素そのものの他に添加物を必要とせず、粒子径などの物理特性により安価かつ効率的な酸素供給キャリアとしての機能が期待できる。酸素ナノ気泡による汎用性が高い酸素供給法の確立により、効率的なヒト細胞大量培養の早期実現を可能にする。
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