研究課題/領域番号 |
20K15154
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 陽生 東北大学, 工学研究科, 助教 (70771880)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 分子配向制御 / ネマチック液晶 / ゲル / 二色性色素 / ヘテロ接合 / 分子配向 / 電気光学特性 / 液晶 / 薄膜接合 / 調光素子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遮光・散乱・透過の3状態の電圧切り替えを可能とする光制御デバイスに向けた基盤技術構築に向けて、二色性色素ドープ型の液晶ゲル膜と、分子配向制御型の液晶ゲル膜とのヘテロ接合化を行う技術を提案する。具体的には、材料化学的な観点から、液晶ゲル内部における分子配向制御を試み、その配向制御指針について解明する。さらに、離型剤を検討しながら基板から剥離するプロセスを確立し、調光機能の高性能化に結実する液晶ゲルヘテロ接合界面に適合可能な中間層薄膜について明らかにする。以上より、液晶ゲルが有する構造回復特性を初めて導入した新しい液晶調光素子の高性能化指針を探求すると共に、その応用展開を図る。
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研究成果の概要 |
プライバシー保護や冷暖房設備の省エネ化を可能とするスマートガラスの構築に向け、窓用の調光デバイスの利便性・汎用性を向上するため、光制御機能や寿命、構造変形度における高機能化が求められる。本研究では、光学異方性を有する液晶材料と構造修復性を持つ物理ゲル材料による調光機能を検討し、液晶ゲルのヘテロ接合化には、温度制御によるゲル構造の制御および極薄の中間層挿入が重要な因子となることを明らかにした。さらに、ゲル材料の伸縮性を活かすため、伸縮性基板で素子化した液晶セル構造を支持基板上から剥離する方法で作製することに成功した。以上の成果から、柔軟な調光素子に向けた液晶ゲルヘテロ接合形成の設計指針を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、液晶方式による高分子分散型調光デバイスにおいて、構造回復性と伸縮性の付加、液晶ゲルの構造制御法を新たに検討し、伸縮を可能とするような液晶デバイス形成技術と異なる液晶ゲル層を接合するための作製指針を確立した。 本研究成果で得られた液晶ゲル膜のヘテロ接合化に関する指針や知見は、液晶光学とソフトマターを融合する学術分野において重要な基盤となるものであり、大面積・寿命フリー・伸縮性・光状態の多モードな切り替えを可能とすることから、より高機能かつ省エネルギーなスマートガラス技術だけでなく、将来的なストレッチャブルエレクトロニクスの発展にも貢献することができる。
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