研究課題/領域番号 |
20K15158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 祥哉 東京大学, 物性研究所, 助教 (50868114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | スピントロニクス / 磁気異方性 / 磁気異方性制御 / 放射光分光 / 磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
電子の電荷に加えスピンを利用し電子デバイスの性能向上を図るスピントロニクス分野において、鉄と酸化マグネシウムからなる薄膜デバイスは非常に有望視されている。本研究では、電圧によって磁性を制御する、新しい超低消費電力の情報書き込み方式に着目する。この新しい方式では、鉄の磁性の電圧制御効率が低いことが課題であるが、これまでにプラチナなどの重い元素を導入することでその効率が向上することがわかっている。本研究では、重い元素でなく、軽い元素を導入することによる性能向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、Fe/MgOをベースとした薄膜の磁気異方性とその電圧変調効率を、非磁性金属を導入することで向上させることを目的とした。まず、ベースとなるFe/MgOの界面における電子の振る舞いを放射光を用いた分光実験などにより調べ、Fe/MgOの磁気異方性の起源に関する新たな知見を得た。次に、FeにVやAlを導入ししホールや電子を導入することで、フェルミ面の位置や電子構造を変調し、VでFeにホールをドープした場合にのみ磁気異方性の電圧変調効率の増強が見られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Fe/MgOをベースとした薄膜は、次世代磁気メモリにおいて最も重要な要素であり、FeとMgOの界面が生み出す磁気異方性とその電圧変調効率を向上することが課題となっている。本研究成果は、Fe/MgOにおける磁気異方性の起源に関する新しい知見を与えただけでなく、従来までの重元素を導入する以外の方法で性能向上が可能であることを示した点で意義があり、今後の研究の展開が期待される。
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