研究課題/領域番号 |
20K15161
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
塩田 陽一 京都大学, 化学研究所, 助教 (70738070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピン波 / マグノン / 人工反強磁性体 / 非相反性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、層間交換結合を有する人工反強磁性体中を伝搬する反強磁性スピン波の制御を目指して研究を行う。反強磁性体は、スピンが揃った強磁性体とは異なりスピンが互いに逆向きに結合している材料である。この反強磁性的に結合したスピンのダイナミクスを利用すれば、従来の強磁性体を用いたデバイスには無かった新たな自由度を追加する事ができる。そこで、本研究では多機能なスピン波論理演算素子に向けて、人工反強磁性体におけるスピン波伝搬の様々な物理現象を探索し、反強磁性スピン波を利用したマグノニクス応用への展開を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、層間交換結合を有する人工反強磁性体中を伝搬する反強磁性スピン波の制御を目指して研究に取り組んだ。主要な成果として、面内磁化の人工反強磁性体中において反強磁性共鳴モードの強い相互作用(共鳴周波数の反交差)が観測され、この現象がスピン波の動的双極子相互作用に起因することを明らかにした。垂直磁化の人工反強磁性体においては、二つの共鳴モードの観測に成功し、それぞれが右回り・左回りの反強磁性共鳴モードであることを明らかにした。また
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピン波(マグノン)を情報の処理、記憶、伝送などに用いる様々な技術が提案されており、このような応用を目指した研究分野は「マグノニクス」として近年注目を集めている。本研究によって明らかになった反強磁性共鳴モードの強い相互作用は、量子情報処理を目指して研究が進められているハイブリッド量子系に新しい視点を与え、スピン波を利用した新たな情報処理技術の開拓につながることが期待される。また回転方向の異なる共鳴モードを有する垂直磁化の人工反強磁性体はスピン波偏光という新たな自由度追加の可能性を示した。
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